カルチャー
「BIRTHJAPAN」(バースジャパン)石川智之社長インタビュー

ピコ太郎の衣装を作った男を直撃! ヤンキーファッションの変遷

2017/01/01 21:00
「BIRTHJAPAN(バースジャパン)」石川智之社長

 2016年の世界的な大ヒット曲・ピコ太郎の『PPAP』(ペンパイナッポーアッポーペン)は、曲だけではなく一度見たら忘れられないアニマル柄ファッションも注目された。この衣装の製造元である不良系ファッション大手「BIRTHJAPAN(バースジャパン)」(新潟県南魚沼市)の石川智之社長に、ブランド設立の経緯やヤンキーファッションのトレンドについて話を聞いた。同社は不良のためのファッションを積極的にアピールし、『闇金ウシジマくん』をはじめ数々の映画やドラマにも衣装提供をしており、“その筋”では有名なブランドである。

■不良を表現する服を作りたい

――ピコ太郎さんのPV『PPAP』では曲以上にアニマル柄の服のインパクトがすごかったですが、以前から不良の間では「知る人ぞ知る」人気ブランドだったそうですね。あの服でなければ、あれだけヒットしたかどうかはわからないくらいです。

石川智之社長(以下、石川) 実は取材でお問い合わせをいただくまで、あの服がウチの製品とは知らなかったんです。確認したら、お買い上げいただいていたとわかった次第ですが、(ピコ太郎の所属する)エイベックス・マネジメントは認めていないようですしね。

 おかげさまで各方面からご連絡をいただいていますが、当社はPVがヒットする前からインターネットを通じて全国にお客様がいらっしゃったので、今回もそれほどビジネスには影響はないです。

――もともと常連さんたちが、たくさんいらっしゃるということですね。ブランドとしてストレートに「不良」を前面に出しているのは珍しいと思います。会社を作られたのは、どのような経緯からなのでしょう?

石川 私は新潟生まれの新潟育ちで、いろいろありまして高校中退、新聞拡張員、逮捕などを経て、今の会社を作りました。店の公式サイトにも書いた通り逮捕歴がありますが、初犯だったので執行猶予がついて、ムショには行ってないんです。

若かりし不良時代の石川社長

――なるほど。ファッションブランドを立ち上げられたということは、もともとこうしたデザインがお好きだったのですか?

石川 「不良を表現できるような服を作りたい」というのは前からありましたね。小さい頃からワルガキで、中学からは空手を習っていたのですが、ケンカもよくやっていました。漫画では『CUFFS 〜傷だらけの地図〜』(東條仁/集英社)や『今日から俺は!!』(西森博之/小学館)などが好きで、服もそういうのをマネしていたんです。

 設立時(06 年)はホスト向けの服を作っていたのですが、09年から現在のスタイルにしました。当時はホストのニーズに合わせて作っていて、今は逆に私の方からデザインというか世界観を提供させていただく感じですね。

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