カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」6月7日号

“ていねいな暮らし”で修道女をフィーチャーした「婦人公論」 の跳躍力がすごい!

2014/06/02 21:00

 おおた氏によると、4月に親をがっかりさせる、いわゆる「ハズレ」教師は、「未熟な若手ではなく、むしろベテラン女性に多い」のだそう。体罰とまではいかなくても、暴言や見せしめでヒステリックにクラスを統治しようとするベテラン女性教師をおおた氏は「オバタリアン教師」と名付けています。「オバタリアン教師」が生まれる背景には、もともと小学校教諭には女性が多いこと、経験を積むべき30代に出産育児で現場を離れる人が多いこと、保護者側のお客様意識が強まる中で、先生自身が接客担当として前線に立たされるが「お母さんたちはだいたい女の先生に厳しい。男性の担任のほうがトラブルでこじれることが少ない」(元校長の男性)という声まで。

 「印象論か!」とツッコミたいところは山ほどありますが、ヒステリーでクラスを統治できた成功体験から、その指導法を捨て去れない女性教師が「ハズレ」化していく因果を、「産休や育休による現場での経験不足」「新しい指導法の勉強不足」と厳しく追及しているのに対し、愛の鞭と称して体罰を容認してきた男性教師たちには矛先を向けず「『今は世の中が変わった。昔の指導法はもはや通用しない』と言う」といさぎよくあきらめる。教育を取り巻く環境が急激に変化し、そのことがベテラン女性教師を追い詰めていると結論づけていますが、そのアイコンとして「オバタリアン教師」なるものを引っ張り出してきたところに、社会への媚びを感じずにはいられません。

 おばちゃんは確かにいろんなものを捨てられない。思考も脂肪も試供品も捨てられない。だけど、おばちゃんだったらなに言ってもいいという、社会がよくするサンドバッグのような扱いを「婦人公論」でしちゃダメ。まぁそういうことも織り込み済みなのでしょうが。捨てられない、清らかじゃない、ヒステリックなオバタリアン……読者のコンプレックスをこれでもかと刺激する「婦人公論」でありました。
(西澤千央)

最終更新:2014/06/02 21:00
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