[ジャニーズツッコミ道場]

平野紫耀ら脱退直前――キンプリは「フードコート」のようなグループだと思うワケ

2023/05/04 19:00
太田サトル(ライター、アイドルウォッチャー)
平野紫耀ら脱退直前――キンプリは「フードコート」のようなグループだと思うワケ
キセキのような6人だったキンプリ(写真:サイゾーウーマン)

 さて、風薫る5月――平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太がKing & Prince(以下、キンプリ)から脱退する日が、いよいよ近づいてきた。3人が抜けた後もグループは存続するわけだが、果たしてキンプリとは一体どんなグループなのか。今回、あらためて考えてみた。

キンプリ、CDデビューまでの道のり

 のちのSexy Zoneのメンバーらと同じラインで活躍し、その後Jr.の中心メンバー的なポジションに定着した岸と神宮寺。守ってあげたくなるようなセンシティブさを内包した野球少年という圧倒的な“ キャラ立ち”により、「Myojo」(集英社)の読者投票企画「Jr.大賞」の“恋人にしたいJr.”部門で2014年から5年連続1位を獲得した岩橋玄樹。

 一方、それぞれ関西ジャニーズJr.内のユニットKin Kan、なにわ皇子のメンバーとして『まいど!ジャーニィ〜』(BSフジ)にレギュラー出演し、そのルックスとキャラで「次世代注目Jr.」として人気を高めたのち、どことなく“スペシャル感”を漂わせながら東京へ拠点を移した平野紫耀と永瀬廉。 そしてダンスが抜群にうまいJr.として、突如現れた高橋海人。

 それぞれの場で、人気と注目を集めていた6人が、2015年春、シアタークリエの公演『ジャニーズ銀座2015』でメイン公演を務めることになり、ファンたちは「次のデビュー候補ユニットか!?」と一斉に色めき立った。

 その機運は、直後に発表されたイベント『テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭りSUMMER STATION』の応援サポーターへの抜てき、6人に冠せられた「Mr.King vs Mr.Prince」という気合の入った 名前によって、さらに高まることに。当時はもう、完全にデビューへのレールが敷かれたとしか思えなかった。

 「Mr.King vs Mr.Prince」は、平野・永瀬・高橋からなる「Mr.King」と、岸・神宮寺・岩橋からなる「Mr.Prince」という3人ずつの2つのユニットを「VS」で相対させるという構成。2組が切磋琢磨しながら競っていくユニットというのは、いかにもジャニーさんらしい発想だ。そもそもの名前が「王様」と「王子」では、初めから対等ではないような気もするが。そんな格差付けもある意味ジャニーさんっぽい。

 しかし、ジャニーさんが気合を入れて作ったユニットに見える一方、サプライズ要素がないことも気になっていた。というのも、ジャニーさんはこういう場合、たいてい「ジャニーズ初の◯◯ユニット」「入所わずか数カ月のメンバーを抜てき」というようなサプライズを仕込むものなのだが……。

 「Mr.King vs Mr.Prince」には、なんというか、当時から“間違いない” メインディッシュが6皿並べられたような雰囲気が、少しだけあったのだ。

 その後、ほどなくして、この“VS”構造はどっかにいってしまい、「Mr.King」と「Prince」として、個別の活動が中心となっていく。のちにジャニーさんは、この6人でのCDデビューは考えていなかったと言われるようになったが、このあたりで「飽きた」――というと言葉は悪いけれど、この6人を 次期デビュー組としてプッシュする意欲も薄れていったような気がする。

 一方で、ジャニーさんの“スペオキ”であるSexy Zone・佐藤勝利とMr.Kingの3人でアメリカへ取材旅行に出かけることもあった。ジャニーさんの興味は当時、 「Mr.Kingだけでいいや」「勝利とMr.Kingで何かできないか」「勝利と平野の組み合わせはどうだろう」といった方向に移っていたのかもしれない。

 しかしその後、メンバーも語る通り、ジャニーさんに“この6人でデビューしたい”と直談判したことで、事態は急転。結果として、18年5月、ユニバーサルミュージックから大々的なCDデビューを飾ることになり、ファーストシングル「シンデレラガール」は、平野主演のドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系)の主題歌に起用されて、大ヒットを記録した。

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6人がどうか幸せであれますように
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