【女性誌レビュー】「婦人公論」2023年5月号

加藤茶の“若い妻”礼賛が、「婦人公論」のメッセージをひっくり返したワケ

2023/05/03 16:00
島本有紀子(ライター)

加藤茶の若い妻礼賛、「パートナーは若いほうがヨシ」なのか?

 最後に見ていくのは、加藤茶×井上順の対談「売れない時代にジャズ喫茶で出会って60年」。加藤は80歳、井上は76歳。60年前の出会いから現在までの友情を語っています。2人には、若いパートナーがいるという共通点も。加藤の奥さん・綾菜さんは45歳年下で、井上が交際中のパートナーは30歳年下だそう。

 加藤は最近、綾菜さんからLINEを教え込まれたとも報告。井上は、綾菜さんから「申し訳ないけど加トちゃんとLINEのやり取りをしてほしい」と頼まれ、毎日のように送り合っているそう。誤字だらけだったのが、今では絵文字も使いこなすそうで、加藤は「綾がいなかったら死んでたかもしれない」とも語っています。

 綾菜さんが特別に献身的でよくできた人物であるというのもありますが、やはり若い人との関わりは、感性を若く保ったり、健康管理したりなどのさまざまな点で、大切なのだろうとも感じます。

 “物は最後まで使い切ろう”“古いものに宿る歴史を大切に”――そんなメッセージがあふれた今号ですが、加藤の“パートナーは若いほうがヨシ!”といわんばかりの妻礼賛ぶりに、すべてがひっくり返された気がしてしまいます。ともあれ、お二人にはこれからも元気で活躍してほしいものです。



島本有紀子(ライター)

島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2023/05/03 16:00
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