春ドラマの視聴率&評判

『あなたがしてくれなくても』第2話、田中みな実が「ミスキャスト」と指摘されるワケ

2023/04/24 08:00
仲宗根由紀子(エンタメライター)
『あなたがしてくれなくても』第2話、田中みな実が「ミスキャスト」と指摘されるワケ
何を演じても「田中みな実」にしか見えない?(C)サイゾーウーマン

 “セックスレス”をテーマにした奈緒主演の連続ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)の第2話が4月20日に放送され、世帯平均視聴率4.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。第1話の5.8%より、0.9ポイントダウンした。

 「漫画アクション」(双葉社)で連載中のハルノ晴氏による同名漫画を原作とした同ドラマは、上戸彩主演のダブル不倫ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年7月期)のスタッフが制作している。

※以下、『あなたがしてくれなくても』のネタバレを含みます。

 第1話では、夫・吉野陽一(永山瑛太)とのセックスレスに苦しむ主人公・吉野みち(奈緒)が、会社の上司・新名誠(岩田剛典)にこの悩みを告白。後日、誠もファッション誌副編集長の妻・楓(田中みな実)とセックスレスであることを打ち明け、みちを抱きしめる様子が描かれた。

 続く第2話では、抱き合ったことから、一時は職場で互いを避けるようになってしまったみちと誠だが、誠がバーに誘ったことから、「レス解消の戦友」として心を通わせる。

 楓とちゃんと向き合うと決意した誠は、結婚記念日にホテルを予約。しかし、仕事が忙しい楓は遅れて到着し、誠からのキスを「疲れてる」と拒否する。

 時を同じくして、喫茶店の店長として働く陽一は、妻とはまったく異なるタイプの新人バイト・三島結衣花(さとうほなみ)と唐突にキスしてしまう。その晩、陽一は珍しくみちに花をプレゼントし、体を求めるのだった……。

 長らく低調が続いている「木曜劇場」枠とあって、視聴率は振るわないものの、見逃し動画配信サービス「TVer」の「お気に入り数」では早くも75.1万人(21日現在)を記録。これは、TVerで配信されている4月期の連ドラ中、木村拓哉主演の同局「月9」ドラマ『風間公親―教場0―』(96万人)に次ぐ高い数字だ。

 センシティブな題材ゆえに、第1話放送後、ネット上では「いろいろな悩みを抱えてる方がいる中で、この時間帯に堂々と放送するのはどうかと思う。深夜でやるべき」「世の女性が、みんな主人公みたいな不満を持っていると勘違いされそう」とネガティブな意見も散見されたが、ドラマタイトルがTwitterでトレンド入りを果たすなど、大きな話題を呼んだのは間違いない。

 加えて、番組公式Twitterは、「パートナーから拒絶されることが どんなに辛くて苦しいことか、それが痛いほどわかるから」「結婚して妻になったら、夫以外誰にも見てもらえなくなるんですよ」をはじめ、劇中の印象的なセリフを画像化して配信。Twitter上で拡散されることにより、宣伝効果を上げているようだ。

 一方、田中のキャスティングに関しては、「演技のうまい俳優たちの中で、1人だけ浮いてる。ミスキャストでは?」「悪くないんだけど、演技が本業の役者で見たかったな」といった不満の声も目立つ。

 『昼顔』に置き換えるとすれば、田中演じる楓は、伊藤歩が演じた北野乃里子のポジションに当たり、かなり重要な立ち位置といえるが、田中は良くも悪くも「田中みな実」としてのパブリックイメージが強すぎるためか、役になじんでおらず、「合わない」と違和感を覚える人は少なくないようだ。

 なお、第2話では、誠の母・幸恵役として大塚寧々が登場。34歳の岩田と54歳の大塚は20歳差であるため、親子役を演じても不思議ではないが、大塚が若々しい見た目であるためか、「なんか衝撃なんだけど……」「お姉さん役じゃなくて母親役なの? 俺だけ時間止まってんのか?」と驚がくする視聴者が続出。

 同枠で14年10月期に放送された『ディアシスター』では、大塚と同い年の夫・田辺誠一が、岩田演じる櫻庭永人の兄役を演じていたが、これも前述のような驚きの反応が相次いだ一因かもしれない。

 フジの戦略通り、セリフに「名言が多い」と話題になりつつある『あなたがしてくれなくても』。『昼顔』が当時、多くのメディアから「社会現象化した」と言われたように、同作もブームを起こせるだろうか。

仲宗根由紀子(エンタメライター)

仲宗根由紀子(エンタメライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

最終更新:2023/04/24 08:00
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