“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第644回】

DA PUMPが低迷した本当の理由とは……触れない「週刊女性」に違和感

2023/04/04 21:00
神林広恵(ライター)
DA PUMPが低迷した本当の理由とは……触れない「週刊女性」に違和感の画像1
「週刊女性」4月18日号(主婦と生活社)(C)サイゾーウーマン

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 産休のため芸能活動を休んでいた石原さとみだが、1年9カ月ぶりに映画で復帰するという。しかもその役は“娘が失踪し極限まで翻弄される母親”。しかもこの作品、『新聞記者』『あゝ、荒野』など社会派作品を手がけた故・河村光庸プロデューサー率いる映画製作・配給会社「スターサンズ」も関わっている。期待大だ、早く見たい。

第644回(3/30〜4/4発売号より)
1位「ISSA 今も右足には28cmのボルト。15年続く通院姿をキャッチ “粛々”なのに隠せない不屈の『パリピ臭』」(「週刊女性」4月18日号)
2位「神宮外苑1千本非情伐採を小池都知事が黙認! 坂本龍一『緑のバトンを次世代に』」(「女性自身」4月18日号)
3位「石井ふく子プロデューサーが激白『嘘つき!』泉ピン子を“完全排除”の舞台裏」(「週刊女性」4月18日号)

 おいおい、何をすっとぼけたことをほざいているのか。「週刊女性」がDA PUMP・ISSAの近況を報じた記事のことだ。ISSAは2008年のコンサートリハーサル中に大怪我をしたのだが、現在でも定期的に通院し定期診断を受けている。そんなISSAの通院姿を「週女」が目撃、ド派手な服装のISSAの写真とともに報じているのだが、問題は記事の中で詳細に記されているDA PUMPとISSAのこれまでの“軌跡“についてだ。記事にはこうある。

「沖縄アクターズスクール出身の初のボーカルダンスグループ『DA PUMP』のボーカルとして’97年に華々しくデビューしたISSA。
 しかし、オリジナルメンバーたちが脱退したこともあり、次第に人気が低迷」

 さらに記事では、新メンバーが加入したが人気は回復せず、ショッピングモールの営業など苦しい時代が続き、さらに08年の大怪我でISSAのパフォーマンスが制限されたと、その人気低迷を解説するのだ。 

 いやいや、何を寝ぼけたことを書いているのか。記事ではまるでDA PUMPの人気低迷が“自己責任”“自然の流れ”のように描かれているが、それは違うでしょ。あのジャニーズ事務所がDA PUMPを目の敵にして干した結果だ。しかも、そこには「週女」も深く関わっていた、いや当事者と言ってもいい立場だったはず。そのことは「週女」は十分ご存じのはずでは? なのに、何をすっとぼけているのか。違和感でしかない。

 DA PUMP低迷の経緯はこうだ。デビュー翌年の『NHK紅白歌合戦』に5年連続で出演するなど、当初から人気を博していたDA PUMP。しかし人気が出ると、そこに立ちはだかったのがジャニーズ事務所だった。

 当時、男性の歌って踊れるアイドルグループといえばジャニーズが独占する独壇場だ。よってDA PUMPが気に入らなくて仕方ない、排除したい。そのため音楽番組も、DA PUMPが出演すると知るや自社アイドルは出さない、ドタキャンさせるなどといういやがらせ、圧力、暴挙も行った。当然、テレビ局は震え上がり、DA PUMPを干していく。

 さらに01年、DA PUMPと「週女」が大きく関わる事件が起こる。その舞台は「週女」の発行元・主婦と生活社が刊行するアイドルインタビュー誌「JUNON」だ。「JUNON」においてSMAPの香取慎吾が「絵本」を作るビッグ企画があったのだが、その絵本のすぐ後にDA PUMPの広告が大きく掲載された。これに激怒したジャニーズは「JUNON」を出禁にし、ついでにこれまでジャニーズと蜜月だった「週女」とも決裂に至ったのだ。そしてDA PUMPは、こうした圧力と忖度によって、長きに渡る低迷を余儀なくされた。

 そんな経緯があったのに――。いや、当然か。「週女」はいまやすっかり忖度、御用雑誌に復活できたんだもんね――。

神宮外苑再開発に対する坂本龍一氏の強い思い

 一瞬ぎょっとした。本日4月4日発売の「女性自身」の特集記事に坂本龍一氏が登場、コメントまで出しているのだから。 

 「自身」記事は坂本氏がこれまで反対を表明してきた“神宮外苑再開発”についてレポートしたものだ。この再開発は、神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えとともに商業施設やオフィスが入る複合ビルなど超高層ビルを建設するもので、この再開発によって伐採・移植される樹木は約1,000本にものぼると言われる。坂本氏はこの計画に反対を表明、さらに3月初旬には小池百合子都知事に手紙を送ったが、小池都知事はこれを一蹴したのだ。

 記事ではこの問題を取り上げつつ、坂本氏にも取材した。そしてコメント(けっこう長い)が寄せられた。

「この問題に気づき声を上げるのが遅かったのかもしれません」
「まだ立ち止まることはできるはずです」
「美しい自然と景観を守ることができなかったことを子どもたちに詫びなければなりません」

 それはコメントの一部だが、時期的に見てもこのコメントは亡くなる直前のものだと思われる。そんな時、メディアにコメントを託した坂本氏。そして記事には坂本の逝去は記されていない。コメントをもらって記事にした段階では、坂本氏の逝去は報じられていなかったのだろう。

 最後まで強い思いを持って逝った坂本氏。そして、すごいタイミングでコメントをもらった「自身」。今後も、ぜひとも坂本氏の遺志を受け継ぐような言論を続けてほしい。

橋田壽賀子氏の追悼ドラマから排除された泉ピン子

 このお話、どう決着がつくのか大変興味がある。「渡る世間は鬼ばかり」の脚本家だった橋田壽賀子氏の追悼ドラマから泉ピン子が排除された問題だ。今回、その張本人とささやかれる石井ふく子プロデューサーが口を開いた。「あんまり騒がないようにしている」とエクスキューズしながら。

「ご親戚でもないのに、橋田さんが希望なさらないことをやって、嘘も吹聴されたら問題になっちゃいますよ」
「ピン子さんは“嘘つき村の村長さん”なんです」
「文句を言われる筋合いはない」

 さすが、渡鬼のドン、怖い。

神林広恵(ライター)

神林広恵(ライター)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』『木嶋佳苗 法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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最終更新:2023/04/04 21:00
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