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【薬剤師監修】おなかにガスが溜まる人必見! 腸の動きを改善する5つの方法

2023/03/16 14:00
竹田由子

2. ガスが溜まって苦しいときの対処法

 それでは、ガスでおなかが張って苦しいとき上手にガスを排出する方法をお伝えします。

2‐1. ガス抜きのポーズ

 ガスが溜まっているおなかには、次に紹介するガス抜きのポーズがおすすめです。

(1) 仰向けの状態で、両ひざを抱え込みます。
(2) ひざを胸に引き寄せながら上体を起こします。息を吐きながらゆっくり行いましょう。
(3) 太ももで下腹部を圧迫しながら、お尻を少し持ち上げ、その状態をキープします。
(4) きつくならない程度にゆっくりと5回呼吸をし、体を(1) の状態に戻します。

 ガス抜きのポーズにはリラックス効果もあるため、ストレス緩和にも効果的です。

2‐2. ツボを刺激する

 おなかに溜まったガスの解消に効果的なツボをご紹介します。

・大腸兪(だいちょうゆ):骨盤の上にあり、背骨から左右に指2本分のところ。
下痢のほか、特に便秘に効くツボとして知られています。ほかには、痔疾、腰痛、坐骨神経痛などの改善に用いられます。

 ツボを押すときは、親指が背中に当たるように両手を腰に当て、親指で押しながら揉みましょう。少し痛いけれど気持ちがいい程度の力で押すのがコツです。

3. おなかにガスを溜めない予防方法

 そもそもガスを溜めないためには、普段からどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか? おなかにガスが溜まりやすいという人は、以下のポイントに注意して生活してみましょう。また、最後にお伝えする漢方薬を日々の生活に取り入れるのもおすすめです。

3‐1. 食生活を見直す

 食べすぎや栄養バランスの悪い食生活は、便秘などの腸内トラブルの原因となり、ガスが溜まりやすくなります。食生活を見直し、腸内環境を整える食事に変えましょう。

 いい腸内環境をつくるには、腸内の悪玉菌を抑え、善玉菌を増やすことが大切。善玉菌が含まれている食品は、以下の通りです。

・ヨーグルト
・納豆
・キムチ
・みそ
・チーズ など

 食事の際も、空気をたくさん飲み込んでしまわないよう、よく噛んでゆっくり食べましょう。

3‐2. ストレスを解消する

 腸は精神的なストレスの影響を受けやすい器官。ストレスで自律神経がうまく働かなくなると、腸がぜん動運動をしなくなり、便秘になります。そのせいで腸内環境が悪くなっておなかにガスが溜まってしまうのです。

 ストレスが原因かもしれないと感じる人は、休息や休養を十分に取り、リフレッシュできるような趣味や時間をつくりましょう。例えば、次にあげるリフレッシュ方法がおすすめです。

・運動をする
・音楽を聞く
・習い事をする

 また、ストレスや緊張を溜めないことは、呑気症の予防にもなります。ストレスが解消されると自然とおなかの調子も整い、ガス溜まりが解消されることがあるのです。

3‐3. 漢方薬を飲む

「あれこれ解消法・予防法を試してみたけれど改善されない……」
「ガスが溜まりやすい体質を体の内側から変えたい」

 そんな人には漢方薬がおすすめです。漢方薬のなかには、「腹部膨満感」の症状に効果が認められているものもあり、消化器内科などで処方されています。

 おなかが張ったりガスが溜まったりする原因は、ストレスや便秘などと考えられているのです。

 これらの不調の改善には、「おなかを温めておなかの働きをよくする」「自律神経のバランスを整えてストレスによるおなかの働きの悪さを改善する」「胃腸の機能を回復して便秘やガス溜まりを改善する」といった働きを持つ漢方薬が用いられます。

 漢方薬は溜まっているガスを解消するだけでなく、根本的な原因・体質の改善を目指すため、便秘や下痢などの慢性的な症状やガスの溜まりやすい体質に悩む人に適しているでしょう。

 バランスのいい食事を毎日続けるのは難しいという人でも、漢方薬は毎日飲むだけなので無理せず続けられます。

心も体もととのう 漢方の暮らし365日