身から出た錆?

ヘンリー王子を米人気アニメがネタ化――結末に隠された、夫妻の未来めぐる“予言”とは?

2023/02/17 21:35
堀川樹里(ライター)
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ついにアニメにまでいじられるようになったヘンリー王子夫妻(写真/Getty Imagesより)

 強烈で痛烈な社会風刺や、有名人のパロディとブラックジョーク満載の大人向け米人気コメディアニメ『サウスパーク』最新エピソードに、ヘンリー王子とメーガン夫人をモデルにしたキャラクターが登場。プライバシーを求めて世界中を飛び回り、被害者ヅラをしながら大騒ぎする「アホな王子とバカ妻」として描かれ、ネット上は「すっきりした!」と大盛り上がり。

 Twitterでは「#DumbPrinceStupidWife(アホな王子とバカ妻)」「#HarryAndMeganAreFinished(ハリーとメーガンはもう終わり)」というハッシュタグがトレンド入りし、ロイヤルという最強ブランドを持つパワーカップルとしてアメリカの上流階級に君臨する2人の戦略は、完全に失敗に終わったことを示唆していると冷ややかな声が上がっている。

『サウスパーク』は、1997年に放送開始され26周年を迎えた、米コメディ・セントラル局の長寿コメディアニメ。2月8日にスタートしたシーズン26の第1話は、“Ye”ことカニエ・ウエストが主張している「反ユダヤ的な陰謀説」をネタにしたもので、Yeをいじれるのはこの番組だけだと大きな話題になったばかりだった。

 そして第2話「The World-Wide Privacy Tour(ワールドワイド・プライバシー・ツアー)」が現地時間15日に放送。ヘンリー王子夫妻をモデルにしたと思われるカナダのプリンスとプリンセスは、この上なく恵まれているのにプライバシーが欲しいと大騒ぎするため、カナダの嫌われ者。プライバシーを求めてプライベートジェットで世界中を飛び回る。行く先々で注目されてもいないのに「プライバシー!」と騒ぐ2人は、アメリカの田舎街サウスパークにたどり着く。そして「ここに住めば、私たちがプライバシーと静かな暮らしを本気で欲しがっていると、みんな思うでしょうね」と夫人がこの地を気に入って、主人公の向かいの家に引っ越してくる。

 2人は家を派手にデコレーションし、夜中に花火を上げたりポロゲームをしたり、メガホンで「プライバシー!」と叫び、主人公は大迷惑。「うるさい」と抗議するが、「プライバシーの侵害」「妻への人種差別」と逆ギレされてしまう。

 主人公は学校で友達に2人のことを「やつは仕事ないし、女のほうも何やってるんだかわかんないし」最悪だと愚痴るが、「アホな王子とバカ妻のことなんてどうでもいいんだよね」「もう2人の話は聞きたくない。うんざりだよ」と相手にしてもらえない。

 対してプリンスとプリンセスは、主人公の家の玄関にプリンセスが表紙を飾った雑誌の切り抜きをベタベタ貼るなど嫌がらせをするが、主人公は2人をスルーすることに決め、これにプリンスはさらに激怒。

 主人公はこの回で、友達の勧めでコンサル会社にてセルフブランディング指導を受けるのだが、プリンス夫妻も「生意気な主人公をギャフンと言わせるため」セルフブランディングを強化したいと指導を受けにやってくる。しかし、主人公は「自分をブランド化なんかする必要はない」と気がつき、その言葉にプリンスも共感。

 プリンセスに「自分をブランド化することは、自分を商品化することになる。我々はそんなことは望んでいない。だからブランドにならなくてもいいんじゃないか」「Netflixショーも雑誌も、もうやめだ。そんなことをしていたら、我々が求めている普通の暮らしは手に入れられない」「同意してくれるよね? 大事なのは中身なんだって」と訴えた。

 しかし、プリンセスはノーリアクション。バッテリーが切れたように何も言わず動かない。プリンスはプリンセスの口を大きく開け、「おーい」と話しかけるが、その声はむなしくこだまするだけ。からっぽな中身のプリンセスを置いて、プリンスは悲しそうな顔でコンサル会社を後にするのだった。

『サウスパーク』第2話、ヘンリー王子夫妻の“離婚”を予言?

 このエピソードの中で、「女王の葬儀に現れた2人を出席者が怒りの目で見る」というシーンは、フィリップ殿下の一周忌での様子を再現したもの。王子の自叙伝は『WAAAGH(ウォー!)』とばかにしたタイトルに変更されており、「ジャーナリスト嫌いですが、王室のことを書いたから、あなたもこれでジャーナリストになりましたね」と皮肉られたり、本の中で、「北極圏チャリティ・ウォーク」に参加した際、寒さで男性器に軽い凍傷を負ったことを明かした王子をちゃかすような、「私の青いちんこで参らせてやる」という下ネタシーンもあるなど、ばかにしまくり。

 プリンセスが表紙を飾った雑誌の切り抜きを主人公の家に貼るシーンでは、キャサリン妃が表紙を飾った雑誌をまねたものもあり、これもキャサリン妃にライバル意識を持っているメーガン夫人をちゃかしたものだとネット上で話題に。

 また、セルフブランディングのコンサル会社で、プリンセスは「ソロリティ(女子学生クラブ)女子で女優、インフルエンサーでヴィクティム(被害者)」、プリンスは「ロイヤルファミリーのプリンス、億万長者、ワールドトラベラー、ヴィクティム」と分析され、2人が「その通り」と言うシーンはTwitter上で拡散。大きな注目を集めている。

 プリンセスの中身がからっぽだったことを知り、プリンスが肩を落とすという切ない結末をめぐっては、「そのうち2人が離婚することを暗示しているんじゃないか」「これは未来の予言だ」と指摘する声も上がっている状態だ。

 歴史あるイギリスの王室の国王の次男で、長年「やんちゃだけど憎めない愛すべき王子」として人気を集めていたヘンリー王子。アメリカでここまで笑い者にされていることは侮辱的ともいえるが、散々王室批判し、自分たちは被害者だと主張してきた王子とメーガン夫人にイギリス国民もうんざりしており、『サウスパーク』での描かれ方には、「よくやってくれた」「すっきりした」「今年で一番笑った」といった声が続出。

 ここまで落ちたイメージを回復するためにはさらなるロイヤルパワーが必要なため、5月に行われるチャールズ国王の戴冠式に何食わぬ顔で出席するのではないかと見る向きもあるが、スムーズに事が進むとは考えにくい。ヘンリー王子だけ出席するとのうわさもあり、これにメーガン夫人が大激怒しているというタブロイド情報も流れているが、果たしてどうなるのか? まだまだ2人から目が離せそうにない。

堀川樹里(ライター)

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2024/02/13 11:06
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