仁科友里「女のための有名人深読み週報」

ryuchellはまるで「昭和のお父さん」――pecoとの離婚後、失望する人が多い理由

2023/01/27 09:00
仁科友里(ライター)

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

ryuchellはまるで「昭和のお父さん」――pecoとの離婚後、失望する人が多い理由
「新しい家族の形」とは――(C)サイゾーウーマン

<今回の有名人>
「愛をちゃんとくれた」ryuchell(りゅうちぇる)
『サンデー・ジャポン』(1月22日、TBS系)

 芸能人が夫婦仲、家族仲をウリにして、それをビジネスにつなげるというのは案外リスクがあることなのかもしれない。

 夫婦仲、家族仲というのは、日々変化するもので、いい時もあれば悪い時もある。しかし、良き妻・夫、良き母・父として、ママタレ・パパタレ活動をしてしまうと、夫婦仲も家族仲も、“常に完璧な状態”を保つ義務が発生する。

 例えば、夫愛や家族愛をアピールしていたママタレが、夫の不倫報道をきっかけに離婚したとする。世間はなんとなく「この人が今まで言ってきたことはウソだったのでは?」と感じ、彼女の発言や行動そのものの信ぴょう性も低下してしまう可能性は否めないだろう。夫婦ウリ、家族ウリをしていた芸能人の“離婚後のキャラ設定”というのは、実は非常に難しいと思う。

 今、その難しさに直面しているのは、タレント・ryuchellかもしれない。2022年8月、妻のpecoと離婚したものの、「新しい家族の形」と称して、同居しながら子育てを行い、家族を続けていくと発表した。

 そんなryuchellは1月10日、自身のYouTubeチャンネルで、高校時代、お母さんに「男の人が好き」と打ち明けたことを告白。お母さんが「育て方を間違えた」と自分を責めるような反応を見せたため、ryuchellはショックを受け、お母さんを傷つけまいと「嘘だよ」とお茶をにごしてしまったそうだ。

 この「男の人が好き」発言の経緯について、ryuchellは同22日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、「本当の自分を出して、応援していただきたいと思った」と説明しているが、残念ながら、すべての人が応援してくれるとは言い難いようだ。

 それは、世間の性に対する理解が追い付いていないこともあるが、「結婚していた時のryuchell」と「現在のryuchell」では、その言動に隔たりがありすぎることも原因ではないだろうか。

 結婚時代のryuchellといえば、家族を大事にするキャラクターで売ってきた。例えばpecoは、19年10月16日付のツイートで、

「寝る前に洗濯物たたむの嫌になったわたし『これ、もう明日―!』

りゅうちぇる『そうしよっ。がんばりすぎないところもだいすきだよ』

たった今のはなし!あらためてやさしいなぁと感動してしまった」

と、ryuchellのいい夫ぶりを明かしており、多くの「いいね!」がついた。

こんな世の中で生きていくしかないなら
SNSでは見えないところで子育てやっててほしいと願わずにはいられない
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