【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

「昭和」最後の日、天皇崩御時の報道フィーバーと「自粛」空回り―日本中の異変からわかること

2022/12/31 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

国民による自粛の空回りに寛仁親王も言及

――ほかには東海3県のスーパーが、お赤飯を置かないと決定したとか、びっくりの反応があったようですね。

堀江 だいぶ空回りしている感じはします。「陛下の体温が39度を超え、危機が報じられた(88年)9月24日には、フジテレビでは『おそ松くん』『オレたちひょうきん族』『ねるとん紅鯨団』『オールナイトフジ』が放送中止に。他局もバラエティやプロレス番組が中止」となり、「五木ひろしはじめ、芸能人の豪華挙式の延期」も相次いだそうです。

――お笑い系は勝手に自粛されてしまうわけですね。なつかしの人気テレビ番組や、「芸能人の豪華挙式」とか、いかにもバブル時代って感じがして、つい遠い目になってしまいます。

堀江 しかし、こうした世間の反応に対し、寛仁親王が「予定通りにさまざまな行事は執り行ってほしい。それが(昭和天皇の)思いに叶うのだから……」という主旨のことをお話しているのですが、やはり日本各地でこの手の自粛・延期は続きました。

――ここまで深刻な自粛体制だったとは驚きでした。

堀江 そうなんですよね。だからこそ、現・上皇さまのご退位という決断も、自身に今後「もしものこと」が起きても、前・天皇であれば国民生活への影響を最低限に留められるのでは、というご配慮が感じられるものでした。

 「昭和最後の日」にお話を戻すと、昭和天皇崩御と、平成の天皇即位のニュースとともに「平成」の元号が発表されました。発表をした小渕恵三さん(当時官房長官、のちに内閣総理大臣)が「平成おじさん」として有名になりましたね。

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