オンナ万引きGメン日誌

ベテランGメンVS100人の万引き犯! 大量盗難に苦しむショッピングモールからの救援要請

2022/11/19 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
写真ACより

 こんにちは、保安員の澄江です。

 先月は珍しく出張することになり、中部地方の現場に入って仕事をしてきました。棚卸の結果、大量の商品ロスが発覚したそうで、東京本社の防犯担当マネージャーからご指名いただいたのです。

 当日の現場は、大型ショッピングモールE。勤務シフトは、午後2時から閉店時刻である午後10時まで。この日から3日間の予定で巡回に勤しみます。新幹線からローカル線を乗り継いで現場に向かい、巨大モールの外周を歩いて見つけた従業員通用口で入店手続きを済ませ、総合事務所に入ると、ロス担当のマネージャーが分厚いファイルを手に出迎えてくれました。

「遠いところ、ご苦労様です。こっちのほうは、夜間の保安をやってくれる警備会社がなくて、東京から呼んでもらえないかと、ずっと本社にお願いしていたんですよ。ようやく予算がついて念願がかないました。今回は、よろしくお願いいたします」
「そうだったんですか。そんな話を聞いてしまったら、いつも以上に頑張らないといけないですね。それで、最近の被害は、どんな感じですか?」
「夕方からは、2階の売場を中心に巡回してください。人手が足りなくて、どうしても手薄になっているから、かなりやられていると思うんです。この店は顔認証システムも入れているんだけど、なかなかうまくいかなくて」

 話を聞けば、午後7時以降は売場従業員の数が少なく、店内の状況を確認してもらいたいそうです。フロアマップで2階にある売場の取扱品目を確認すると、衣料品や服飾雑貨、コスメドラッグなど、万引き犯に好まれる商品ばかりを中心に扱っていました。

 出入口も多く抜けやすいため、人目がなければ、やりたい放題の状況になるだろうと容易に想像がつく状況といえるでしょう。すると、手にあるファイルを開いたマネージャーは、それを私に差し出して言いました。

「犯行が確認された人の写真をまとめたファイルです。車のナンバーと合わせて顔認証登録もしてあるので、覚える必要はないですけど、参考までに目を通しておいてください」

 その場でパラパラとページをめくってみると、出入口やエスカレーター付近で撮影された不審者の写真がまとめられていて、乗ってきた車を紐づけされている人もいました。

 ざっと見たところ100人近くの写真がつづられており、余白部分には来店日時や被害品などの情報が詳細に付記され、被害に悩むマネージャーの苦しみが表現されているようにも感じられます。古い情報を取り入れても仕方ないので、直近の写真を中心に眺めてファイルを返すと、それと引き換えに顔認証システムの受信機を渡されました。

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