『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』お父さんは「いない」という長男の複雑な気持ち「ボクのおうちに来ませんか2 ~モバイルハウスと新たな家族~」

2022/10/03 21:05
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』モバイルハウスに暮らしながら、それほど自由を望んでいない?

 自由気ままに生きていたい赤井とおぐりだが、自分が自由気ままに生きたい、を最優先したいなら「彼女を持たない」もしくは「子どもを持ちたくない女性と付き合う」にすればよかったのに、なぜ二人とも「子どもを望む女性(ゆりか)、子どもがいる女性(朱里)」を選んだのだろうか。

 「自由気ままな生活」は、毎日の世話が必要な「子ども」という存在とかなり相性が悪いように思う。「相手を好きになったから彼女を選んだ」と言えばそれまでだが、赤井やおぐりの「自由気まま」を望む気合、熱意は、モバイルハウスという極端な暮らしをしていることからも、人並み以上にあるように見える。しかし、案外それほどでもないのかもしれない。

 次週は「東京デリバリー物語 ~スマホと自転車とホームレス~」。いつの間にかすっかり社会の風景として定着した自転車やバイクで街中を駆けるフードデリバリーの配達員たち。コロナ禍の中での「雇用の受け皿」にもなっている中、さまざまな配達員の状況を見つめる。同作は令和4年度(第77回)文化庁芸術祭参加作品でもある。

石徹白未亜(ライター)

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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いとしろ堂

最終更新:2022/10/03 21:09
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