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【薬剤師監修】40歳以上の女性は、約4割が「尿漏れ」に悩み? 原因と改善方法を解説

2022/09/27 13:30
竹田由子(薬剤師)
【薬剤師監修】40歳以上の女性は、約4割が「尿漏れ」に悩み? 原因と改善方法を解説の画像1
写真ACより

 重い荷物を持ち上げたとき、走ったとき、ジャンプをしたとき、咳やくしゃみをしたとき……。このような場面で「尿漏れ」を経験したことはありませんか? 「おなかに力を入れたとき」に尿漏れをするのは女性が多いのですが、恥ずかしいため誰にも相談できずに、我慢している人がほとんどのようです。

 しかし、尿漏れは40歳以上の約4割の女性が悩んでいるという調査もあり、多くの人が抱えているトラブルといえます。そこで今回は、その原因と症状を改善する方法を、薬剤師・竹田由子氏に紹介してもらいました。

1.尿漏れの原因は「骨盤底筋の衰え」

1-1. 尿漏れのメカニズム

 排尿は、尿意を感じてから膀胱や尿道括約筋などの筋肉が収縮・弛緩し、膀胱内の尿が尿道に押し出されて行われます。女性が尿漏れをする原因の多くは、尿道括約筋を含んだ骨盤底の筋肉である「骨盤底筋の衰え」だといわれているのです。

 骨盤底筋が弱くなると、尿道口を締めることが難しくなり、ちょっとした運動をしたときや笑ったときなど、おなかにわずかな力がかかっただけで膀胱内に溜まった尿が腹圧によって漏れることに。これを医学的には「腹圧性尿失禁」と呼びますが、腹圧性尿失禁を週1回以上経験している女性は、500万人以上いるといわれています。

1‐2.骨盤底筋が衰える原因

 骨盤底筋が衰える原因には、肥満や便秘、加齢による骨盤底筋のゆるみ、過剰な排泄を抑える働きの低下、妊娠や出産、運動不足や筋力不足、ストレスなどが考えられます。

 女性は特に、妊娠や出産などで骨盤底筋が傷つきやすかったり、男性に比べて筋力が低下しやすかったりするため、骨盤底筋が衰えることが多いのです。

2.尿漏れを改善する「骨盤底筋トレーニング」

 腹圧性尿失禁は、多くの場合は軽症であり、簡単なトレーニングを行うことで予防になります。それでは、自宅でのちょっとした隙間時間にできるトレーニングをご紹介します。

2-1.寝たまま骨盤底筋トレーニング

 仰向けになり寝たままの姿勢で、骨盤底筋を鍛えるトレーニング。「締める」動作と「ゆるめる」動作を繰り返すことで、筋力を鍛えます。

(1) 仰向けになり、両ひざを曲げ、足を腰幅に開きます。
(2) 息を吐きながら、尿意を我慢するときのように、尿道、膣、肛門を意識しながら各部位に力を入れた状態で10秒キープします。
(3) 息を吸いながら、尿道、膣、肛門を意識しながらゆっくりと力をゆるめます。

 (1)〜(3)の動きを10回、朝・夕2セットずつを目安に繰り返し行ってみましょう。

2-2.座ったまま骨盤底筋トレーニング

 座っているときに脚が無意識のうちに開いてしまうことはありませんか? これは太もも内側にある筋肉、内転筋(ないてんきん)が衰えているからかもしれません。内転筋がゆるむと骨盤底筋もゆるみやすくなるので、骨盤底筋と内転筋を同時に鍛えます。

(1)イスに浅めに腰かけ、骨盤を意識しながら背筋を伸ばします。
(2)丸めたタオルまたはクッションを太ももの間にはさみ、落とさないように太もも内側でギューとつぶします。
(3)この姿勢のまま、息を吐きながら、尿意を我慢するときのように、尿道、膣、肛門を意識しながら各部位に力を入れた状態で10秒キープします。
(4)息を吸いながら、尿道、膣、肛門を意識しながらゆっくりと力をゆるめます。

 (1)〜(4)の動きを10回×2セット行うことを目安に繰り返してみましょう。

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