“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第614回】

あびる優VS才賀紀左衛門、メディア代理戦争で「女性セブン」が「週刊文春」に負けそうな理由

2022/08/23 21:00
神林広恵(ライター)
「女性セブン」9月1日号(小学館)(撮影:サイゾーウーマン)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 今年7月に逝去した女優の島田陽子さんの周辺が騒がしい。逝去後、遺体が引き取られず行政機関に置かれたままと報じられたり、生前用意していた墓も組み立てられず、駐車場代の未納も発覚――。亡くなった後も世間をざわつかせる。だが、これこそお騒がせ女優の真骨頂かも。

第614回(8/18〜8/23発売号より)
1位「あびる優 第二子を極秘出産していた!『それでも一緒には暮らさない』ジレンマ」(「女性セブン」9月1日号)
2位「杉田水脈衆議院議員 『日本が女性蔑視国家に!』」(「女性自身」9月6日号)
3位「大野智を翻弄する『宮古島巨大リゾートビジネス』のきな臭さ」(「女性セブン」9月1日号)

 あびる優と前夫で格闘家の才賀紀左衛門との“親権”をめぐるトラブルに、新たな火種が投入された。この問題は、あびる優&「週刊文春」VS才賀紀左衛門&「女性セブン」というメディア代理合戦の様相も呈しているが、今回、才賀サイドに立つ「セブン」があびるの極秘出産をスッパ抜いたのだ。

 7歳の長女Aちゃんの親権を巡り、家庭裁判所で争っていた昨年2月、あびるは才賀とは別の男性との間に子どもをもうけていた。そして相手の男性とは入籍せず、子どもの認知もなし。さらに現在第2子は、あびるの実家に預けられ養育されているという。

 確かにセンセーショナルではある。でも気に入らない。「セブン」記事の書きっぷりが、だ。そのトーンは第二子を出産したあびるへの非難だから。長女の親権を巡って争っているのに子どもを産んだ。しかし親権をめぐっての調停に影響するからか周囲には極秘だった。妊娠中もタバコを吸い、お酒も飲んでいた。第2子も実家に預けっぱなし――。こんな感じね。

 まあ、これらが事実がどうかさえ、わからない。何しろ「セブン」は才賀サイドにいるから。才賀サイドの恣意的な情報が織り交ぜられているだろうから。

 しかも、もし事実だったとして、子どもを産んで何が悪いのか。あびるは才賀とすでに2019年末に離婚している。もう3年近く前だ。何か問題があるのか。記事には、あびるの第2子出産が調停で不利になると考えたから、あびるが隠したのではと推測しているが、そんな推測自体、差別だ。

 確かに日本では長らく女性だけ、離婚後6カ月の経過後でないと再婚できないという民法が存在した。しかし、15年、最高裁が法の下の平等を定めた憲法違反だと認定、その後、再婚禁止間は100日に短縮された。こうした流れがあるにもかかわらず、マスコミはいまだ女性差別を繰り返している。しかも「セブン」は女性のための女性週刊誌ではないのか。

大野智作品集 FREESTYLE
あびると才賀の深い泥沼はいったいどこまで?
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