仁科友里「女のための有名人深読み週報」

おばたのお兄さん、妻・山崎夕貴アナの年収超えた! 格差解消のいま“嫁姑関係”が気になるワケ

2022/08/18 21:00
仁科友里(ライター)

五輪のメダリストや医学部の母が脚光を浴びる社会

 女性が子育てをしながら仕事をする仕組みがいまだに整っておらず、かつ、働き続けても昇進できない。OECD(経済協力開発機構)によると、男女の賃金格差は、主要国のワースト2位。こうなると「自分で稼げないならば、稼ぐオトコと結婚すればよい」「自分の能力を認めてもらえないのならば、優秀な子どもを育てればよい」という考え方が生まれ、ひいては「夫の年収/子どもの出来で自分の価値をはかる」ことが定着するのではないだろうか。

 「子どもの出来で自分の価値をはかる」という点について、もう一歩踏み込んで考えてみよう。子どもをオリンピックのゴールドメダリストに「育てた」母、子どもを医学部に「入れた」母が脚光を浴び、教育ビジネスを始めることがよくある。ノウハウを知りたい人/教えたい人という需要と供給がマッチしたからこそ、ビジネスとして成立するわけだが、小意地の悪い見方をすれば、こうした母は、子どもの業績を我が物にしているともいえる。

 けれど、子どもを産んだ女性が、仕事を続けて昇進することが難しい日本で、それでも世に出ようと思ったら、優秀な子どもに育て上げるのが、一番手堅い「起業」なのかもしれないのだ。

 仮に、夫や子どもが社会的なブランドを持っていなかったとしても、それでも、やはり家族は女性を「よく見せる」――例えば、「家族から頼りにされている自分」「家族から愛されている自分」をアピールする道具になり得る。

 前述した夫の実家への帰省も、「家族から頼りにされている自分」をアピールすることにつながるだろう(特に「人からどう見られるかを気にしてしまう」タイプの人は、「帰省は面倒くさいといっても、顔を出さないのはまずい」と“いい嫁”の振る舞いをやめられないと思う)。一方、義母にとっても、帰省する人が減ったといわれる中、息子家族が顔を見せてくれたら、近所や友人に「家族から大事にされている自分」をアピールすることができるわけだ。

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