考えすぎか、ホントの異変か

『ダウンタウンvsZ世代』好評のウラで……「日テレ最強タッグ」に異変か

2022/08/18 12:30
村上春虎(ライター)
日テレ、ひそかに異変?(C)サイゾーウーマン

 8月13日放送の『ダウンタウンvsZ世代』(日本テレビ系)が世帯視聴率12.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人視聴率8.4%を獲得。土曜午後7時から10時までの3時間にわたる大型特番だった。

 この番組は、ダウンタウンの2人をはじめとする“昭和世代”と、大体25歳以下の世代による“Z世代”の若者たちによるトークバラエティー。今では考えられないような昭和の生活用品や流行文化、恋愛、話題になった人物などを振り返り、それらをZ世代のタレントたちが「アリ」か「ナシ」かをジャッジし、世代間トークを展開。Z世代には、みちょぱ、本田望結、SixTONES・森本慎太郎、あのなどが登場した。

 ダウンタウンにとって、日テレでは6年ぶりとなる新規特番。見事、高視聴率を記録したが、その勝因は「ビジュアルインパクト重視でネタをチョイスしたところ」だとテレビ関係者は話す。

「まず、VTR中心の構成が勝因に挙げられます。手回し式ローラーに洗濯物を挟んで脱水する電機洗濯機、スタイリーなる健康器具、睡眠中に英単語などが覚えられるという睡眠学習器など、ビジュアルに強度があるネタを取りそろえていた。それらを全て実際の物なり、証拠映像なりを大放出。若い世代にとっては新鮮で、年配の人には懐かしい、すべての世代に受け入れられる理想的な数字の獲り方ができたはずです」(テレビ関係者)

 好評を受けて第2弾も検討しているだろう。しかし、同番組についてテレビ関係者の間では、エンドロールに日テレの異変を感じ取った者もいるようだ。

「日テレのみならずTBS、フジテレビと主に3つの局で週レギュラー約25もの番組を抱える超人気放送作家・桜井慎一氏の名前がなかったのです。同氏といえば業界では知らない者がいないと言われるほどのヒットメーカー。『世界の果てまでイッテQ!』や『月曜から夜ふかし』、TBSでは『サンデー・ジャポン』『櫻井・有吉 THE夜会』、フジでは『今夜はナゾトレ』『あしたの内村!!』などを担当しています」(放送作家)

 言ってみれば、一時期の鈴木おさむ氏のような存在なのだろうか。だが、桜井氏の名前がないのは、裏番組との兼ね合い、もしくは多忙だったことも考えられる。

「同日、裏番組で同氏が手がけていると思われる番組はありませんでした。さらに、『ダウンタウンvsZ世代』の総合演出は日テレのエースディレクター・高橋利之氏。同氏と桜井氏は先の『イッテQ』『夜ふかし』を始め『行列のできる相談所』など数々の番組を送り出してきた最強タッグです。その高橋氏の担当する新特番に名前がなかったことに驚きました」(同)

 同氏は、 8月27・28日放送の『24時間テレビ45 愛は地球を救う』(日本テレビ系)にも携わっているため、物理的に稼働できないことも考えられる。

「桜井氏は番組数が多いだけに、数字が良いものもある一方、そうでないものも多い。『夜会』はある時期から裏の『ダウンタウンDX』(テレビ朝日系)としのぎを削っており、今では『DX』に負ける週も多い。たとえ負けても、コアターゲットの数字で勝つこともありますが、その差はごくわずかです。ほかにも、『行列』も長寿番組ゆえの疲弊が番組に見えていますし、4月から始まった『あしたの内村!!』も当初のコンセプトからだいぶ変わっています。しかし、そうした問題点を制作陣がなかなか意見できずにいるんです」(同)

 つまり、桜井氏の業界内での威光があまりにも大きいため、スタッフがやりにくくなっているということだろうか。そんな中にあって、今回の『ダウンタウンvsZ世代』ではかなわなかった最強タッグ。次の特番で復活はあるのだろうか。

村上春虎(ライター)

村上春虎(ライター)

1976年生まれ。バラエティ番組や情報番組などテレビ番組の制作に携わる傍ら、現場で見聞きした情報やリサーチしたネタをネット記事で放出する。

最終更新:2022/08/18 12:30
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