[再掲]上智大学法学部・三浦まり教授インタビュー

参議院選挙前に考える、「女性議員」が少ない理由と「政治家の質」を上げる方法

2022/06/23 21:30
サイゾーウーマン編集部

日本に根強く残る「性別役割分業」

 先進国の中でも特に日本は女性議員数が少ない。その要因のひとつとして、「性別役割分業」が大きく影響していると、三浦氏は指摘する。

「『男は外での仕事』『女性は家庭の仕事』を担うべきとする意識が諸外国に比べて根強い日本では、男の仕事とされる政治に、女性がそもそも参加しづらい背景があります。さらに選挙で当選するには、家族の支援も重要となりますが、女性の場合、夫の協力もあまり期待できないため、立候補するにしてもハードルが高いのです」

 また、政治家という職業、特に選挙が頻繁にある衆議院議員の場合は、長時間労働でありながら休日がほとんどない。しかもスケジュールは流動的なので、家族に対する責任と両立させることが非常に難しい。そのため三浦氏によれば、実際に女性政治家は男性政治家と比べて独身者や子どものいない割合が多く、家族に頼れない厳しい状況にあるのが現状なのだという。

 文化的な要因としても、「政治は男性の仕事」という考え方が、男女問わず、日本国民の間で根強いことも大きい。さらに政党が公認候補をほとんど男性だけに決定していることも、女性が擁立されにくい背景となっている。妊娠・出産する女性議員への有権者からのバッシングに対して、政党幹部が守ることもあまりない。構造的にも女性議員が増えにくいのが現状なのだ。

日本の女性議員 どうすれば増えるのか (朝日選書)
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