プウ美ねえさんのエプロンメモ

【プウ美ねえさんのお悩み相談】老け込んだ母にイライラ、どうしたら優しくできる?

2022/05/26 17:00
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

(C)熊田プウ助

<今回のお悩み>
「母が老いていくことを受け入れられません」
 70を間近に控えた母が、最近よく「もう年だから」「疲れた」と口にするようになりました。数年前までは、よく旅行に出かけたり、車を運転したりと元気にしていたのですが、最近はめっきり老け込んでしまい、家で1日中、配信ドラマばかり見ています。ネットの接続の不具合など、昔は自分で調べて修理できていたのに、今では「できない」と、娘の私に丸投げ。

 そういう母に、イライラしてしまいます。私の中の母は、元気で気性が荒くて、何でも自分でやってしまうという強い女のイメージで、どうしても老いていくことが受け入れられません。これからこういうことは増えていくように思うのですが、どうしたら親の老いを受け入れ、優しくできるのでしょうか。むしろ叱咤激励して「自分のことは自分でやって」と言い続けたほうが、母を老け込ませないためには必要なのかなと思う部分もあります。アドバイスをお願いします(まもちゃん、36歳)

【プウ美ねえさんの回答】
 お母様の変化によく気がついて、とても優しいお嬢様ですね。親が子どもを見守る態度にくらべると、子どものほうから親をじっくり観察することはあまりないものです。ほとんどの人が「うちの親はこういうキャラ」と決めつけているでしょう。しかし体が老いれば、行動や思考はとうぜん変わります。

 親子でも夫婦でも、友達でも、もともと人間関係は不変ではないのです。このさきお母様は友達のようになるかもしれないし、妹や娘のようになるかもしれない。元気で強いイメージは、子育て時代だからこそ発していたもので、今のお母様は守られたい側かもしれません。それはむしろ喜ぶべきです。いつまでも親が強くては子が力を発揮できませんから。「そろそろあなたが支えになってね」というバトンタッチだと考えましょう。優しくしようと意識すると過剰になったりしますから、なるべく俯瞰の目線で、すてきな親子を演じる気分で接してごらんなさい。ぐっとスムーズに過ごせます。「自分のことは自分で」もありですが、肉体的につらかったり時間がかかったりすることだけはお忘れなく。けっして急かしたり叱ったりなさいませんように。

 老け込みを防ぐには、人とかかわるのが良いそうです。他人は予期しない発見や楽しみや、ときには負の感情をもたらして心を鍛えます。それが若さを保つのだそうです。時間があれば、ご一緒におしゃべりでも、お買いものでもなさるとよろしい。あなたがお母様の刺激になり、お母様の変化がまた周囲の人の刺激になるとよいものです。まずはお母様の好きな配信ドラマを見て、どこが好きとか嫌いとか、感想を言い合ってみてはいかが。

【今月のエプロンメモ】
老いた親と付き合うのは愉快なことばかりではありませんが、子どもの側にも「こんな頑固な/冷静な/繊細な/タフな私がいたのか」という発見が必ずあります。おいしいところを吸い上げて、新しい自分の魅力にしましょう。ほかの人との関係や、あなた自身の未来もきっと豊かになるものです。

<お悩み大募集>
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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2022/05/26 17:00
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