インタビュー

「ヤクルト1000」だけじゃない! 睡眠の質向上の商品4選を、管理栄養士が紹介【ネルノダ、GABAフォースリープほか】

2022/05/05 17:00
猪坂みなみ(いのさか・みなみ)

 昨今、「飲むと睡眠の質が向上する」とネット上で話題になっている、乳酸菌飲料「ヤクルト1000」。4月4日放送のバラエティ番組『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演したマツコ・デラックスが、「『ヤクルト1000』を飲んだら、すごい眠りがよくなった」とベタ褒めしたことで人気に火がつき、現在、スーパーなどでは品切れが相次ぎ、ネット上では高額転売も見受けられるほどだ。

 しかし、ふと別の売り場を見てみると、“ヤクルト1000的”な商品が多くはないだろうか? 乳酸菌飲料のほか、睡眠の質を向上させることが目的の商品は、飲み物以外も売られている。であれば、ヤクルト1000の入荷を待たずとも、別の商品で代用できるのでは?

 ということで、管理栄養士の猪坂みなみ先生に、ヤクルト1000が「睡眠の質を上げる」と言われている理由や、ほかにおすすめできる商品を教えてもらった。

「ヤクルト1000」を飲むとよく眠れる? 管理栄養士に効果を聞いてみた

「ヤクルト1000」だけじゃない! 睡眠の質向上の商品4選を、管理栄養士が紹介【ネルノダ、GABAフォースリープほか】の画像1
写真ACより

――「ヤクルト1000」を飲むことで、体にどのような変化が起こると考えられますか?

猪坂みなみ先生(以下、猪坂) ヤクルト1000は、一時的な精神ストレスがかかる状況で、「睡眠の質(眠りの深さやすっきりとした目覚め)」を高めるのに役立つとされています。

 ヤクルト1000の公式サイトでは、試験前でストレスが高い状態にある医学部生を対象にした、実証データを公開しています。これによると、ヤクルト1000を継続的に飲んでもらったところ、熟眠時間と熟眠度、さらに起きた時の眠気を示すスコアが改善したそうです。

 また、人がストレスを受けると「コルチゾール」というホルモンが体内で増えるのですが、ヤクルト1000を飲んでいたグループでは、そのコルチゾールの分泌量や、体感的なストレスが抑制されていたとか。

 こうした効果をもたらしたと考えられるのは、ヤクルト1000の中に1,000億個も含まれている「乳酸菌シロタ株」。これは、ヤクルトの創始者である代田稔(しろた・みのる)氏によって発見された乳酸菌の一種で、「生きたまま腸に到達する」「腸内環境を改善する」などの効果が確認されています。

――ということは、「乳酸菌シロタ株」が含まれる商品を飲めば、「ヤクルト1000」ではなくても、よく眠れるようになるのでしょうか?

猪坂 理論上は、ヤクルト1000に含まれるのと同じ量を摂取すれば、同等の効果が期待できるかもしれません。ただ、現状はヤクルト1000以外に乳酸菌シロタ株を1,000億個含む商品は発売されていないようですね。

 なんとか代用できそうな商品としては、「ヤクルト400W」という商品があります。この商品にもヤクルト1000と同じ乳酸菌シロタ株が含まれているので、睡眠の質の向上に役立つでしょう。

 2つの商品の違いは、乳酸菌シロタ株の量。ヤクルト1000には1,000億個含まれているのに対して、ヤクルト400Wに含まれている量は400億個なので、後者は半分以下です。そのため、ヤクルト1000と同じ量の乳酸菌シロタ株を摂取しようとすると、単純に考えて、ヤクルト400Wを2.5本飲む必要があります。

――2.5本も一気に飲んで、大丈夫なのでしょうか?

猪坂 ヤクルト400Wは、おなかの調子を整える「ガラクトオリゴ糖」を含んでいるので、過剰に摂取すると、下痢気味になってしまう可能性があります。1日2.5本分程度であれば、そこまで問題ないというデータもありますが、下痢の起こりやすさは体質によって異なるため、おなかが弱い方や、脱水症状を引き起こしやすいときなどは、大量に飲まないほうがいいです。

 「どうしても乳酸菌シロタ株を摂りたいけれど、ヤクルト1000が品切れで入手できない」「普段からおなかを下しにくく、下痢になりにくい」という方向けの、裏ワザのようなものだと思ってください。ただ、3本近く飲むと糖分の摂りすぎにもつながりやすいので、個人的にはおすすめしない方法です。

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