日本もある話では?

ラブコメの女王ことメグ・ライアン、『愛と青春の旅だち』デブラ・ウィンガーほか……ハリウッドを去ったセレブの告白

2022/05/02 20:43
堀川樹里(ライター)

マーラ・ウィルソン(34)、「子役としてハリウッドの仕事に疲れていた」

1995年のアカデミー賞でのマーラ・ウィルソン(C)gettyimages

 『ミセス・ダウト』(93)『マチルダ』(96)で知られる90年代の天才子役。いつの間にか表舞台から姿を消した彼女は、ニューヨーク大学に進学し、現在は執筆家、コメディ脚本家として活動している。

 マーラは2012年、自身のブログで「監督が満足するまで何度も同じ演技を繰り返すことにうんざりしていた」「オーディションでは人間扱いされず、残酷な言葉を投げられることもあった」と引退した理由を吐露。

 16年に出版した自叙伝『Where Am I Now? True Stories of Girlhood and Accidental Fame』では、引退の最大の理由として「自分はハリウッドの美の基準に達していないんだとわかったから、引退した」と激白。

 本のプロモーションのため受けた英ITV局のエンタメ番組『Lorraine』のインタビューでは、「ハリウッドはモラルがない世界だとか言われるけど、そんなものなのよ。数字を稼がなくてはならない勝負の世界だから、観客が求めているのは何かを計算しなくてはならないのよね」と前置きした上で、「(だから)ある程度の外見は求められる。”素朴な親友”という役であっても、ある程度の外見でなければならない。成長にするにつれて、私はハリウッドの美しさを持っていないなってわかったの」と説明。

 「(子役として)ハリウッドの仕事に疲れていた頃だったけど、(女優として成功するには)自分は無理なんだとわかって傷ついたわ」と表情を曇らせた。

 マーラは、女優を続けるのであれば外見を変えなければならないと悩み、一時期は「罪悪感を感じずに顔を整形するために事故に遭いたいな」とまで思い詰めたとのこと。そのため、もう女優は諦めようと決断した時は、「ホッとした。かわいくあること、痩せていることが仕事ではなくなったから。自分の好きなような見た目になれるって思って気が楽になった」そうだ。

 17年、セクハラや性暴力被害を告発する#MeToo運動がハリウッドから世界中に広がった際、マーラは女性誌「ELLE」でハリウッドの子役が性的に詐取されていると警鐘を鳴らし話題に。

 昨年、米紙「ニューヨーク・タイムズ」に寄稿した記事では、その原因を作っているのはマスコミだと指摘。6歳の頃からインタビューで、「ボーイフレンドはいるの?」と聞かれるのがお決まりで、未成年の子どもなのに、「最もセクシーな俳優は誰だと思う?」とか、「売春婦とカーセックスをして逮捕されたヒュー・グラントについてどう思う?」と聞かれたこともあるという自身の経験を語った。

 また、12歳にもなっていない自身の画像が足フェチサイトに掲載されたり、児童ポルノに加工されたエロ画像が掲載されるなど、小児性愛者のターゲットになっていたことを当時から知っており、「恥ずかしくてたまらなかった」ともつづった。

 撮影現場ではセクハラなどは一切なかったものの、50歳の男性から愛を告白するラブレターをもらうこともあり、自分は子役であるがために性的に詐取されていると感じ続けていたとのこと。このこともハリウッドから引退する要因になったのだろうと世間に衝撃を与えた。

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