プウ美ねえさんのエプロンメモ

【お悩み相談】“浪人生の息子との向き合い方”に悩む母親へ、プウ美ねえさんが「親子は他人」とアドバイス!

2022/04/29 19:00
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

(C)熊田プウ助

<今回のお悩み>
「浪人生の息子との向き合い方がわからない」

 プウ美ねえさん初めまして。いつも楽しく拝読しております。我が家には2人子どもがいて、上の息子は浪人生なんですが、どう向き合っていけばいいものかと悩んでいます。

 息子は現在予備校に通っているのですが、本人もまだ気持ちの切り替えができておらず、勉強にあまり集中できていない様子で、当然元気もありません。予備校から帰ってくると、自分の部屋にこもってしまいます。

 家庭内が暗い雰囲気なので、私はなるべく明るく振る舞っているのですが、うざいと思われたり、余計なプレッシャーをかけてしまうのではないかと思うと、なんて言葉をかけてあげたらいいかわからず、中学生の妹もそんな家の中の雰囲気にストレスを感じているようです。私自身も出先で息子の同級生の親に会ったときに、へんに気を使われるのも嫌で、外出するのが億劫になっています。

 親は子どもを信じて応援してあげるしかないとは思うのですが、親子共々何か前向きになれるような方法や気持ちの切り替え方はないでしょうか?(45歳、あっこママ)

【プウ美ねえさんの回答】
 大人が若い人にしてあげられる最大の親切は「やりたいことを見つけるまでの見守り」ですね。進学という目先の目標にとらわれすぎませんように。

 言葉のかけかたがわからなければ、直接ご本人に尋ねてはいかが。受験生によって集中しやすい環境は違うものです。「腫れ物をあつかうように、ビクビク静かにしてたほうがいい?」「家族それぞれ遊びに行ったり音楽きいたり、ふつうに過ごしても平気?」ぐらいは確認してよいでしょう。「出先で、あなたの同級生ご家族に会うのが嫌だわぁ」などは、ゆめゆめ口になさいませんように。いえ、言わずとも思っていれば伝わるものですよ。ご子息の失敗を恥じているからそう思うのです。むしろ人にあったら、日々勉強しておられるご子息のことをどうどうと自慢しましょう。自分の言動につられて、家族を誇りに思う気持ちがあなたの中で盛り上がるはずです。

 おねえさんも受験に失敗しました。予備校は地元以外の友達との会話が新鮮で、とても楽しかったものです。そして残酷な話ですが、「親は目標にならない」と気づいたこともラッキーでした。予備校代を出してもらったのにひどい息子です。教員だった両親は「学校以外の世界は知らないから、やりたいことは自分で見つけなさい」「私達は学校が好きだったから、進学したいなら応援する」という態度で、プレッシャーがなかったのです。ツブシのきかない学科に進んでも何も言われず、自分の責任で失敗する自由をもらえました。親子は他人だと早い段階で割り切れれば、ぐっとストレスが減るものです。

【今月のエプロンメモ】
 もしも具体的に進んでほしい学校・学部や、将来目指してほしい職業があり、それについて熟知しているなら、良さを語ったり勉強につきあったりすればよろしい。いっぽう、自分で進路を見つけて欲しいなら、冷静に、客観的に見守りましょう。彼の失敗も成功も、あなたのものではないのです。

<お悩み大募集>
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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2022/04/29 19:00
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