『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』「余命」の算出は医師それぞれ?「花子と大助~余命宣告とセンターマイク 夫婦の1400日~」

2022/04/18 18:06
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』余命は人生で最も重い数字

 てっきり、全ての余命宣告は「がんを研究する学会が発表した、同世代で同様の病状の人なら平均余命が〇年」といった統一的なデータなどがあり、それに則って伝えられるものかと思っていた。

 しかし、データに則って「平均余命」を出したとしても、翌日に亡くなってしまう人もいれば、10年後も生きている人もいて、それらをならしたのが「平均」だ。そう考えるほどわからなくなってきた。

 また、同世代で同じ病気、同様の病状であっても、ほかに病気を抱えていたり、飲酒、喫煙、食生活、運動習慣などライフスタイルの違いはさまざまだ。これらも余命に関わってくるだろう。

 そうなると、データよりも、その患者を前にしている医師の見立てのほうが予測の精度が高いのかもしれないとも思う。そもそも、余命を覆した人の話は聞くことができるが、覆せなかった人の話は聞くことができない。余命は人生で最も重い数字だが、一筋縄ではいかない数字だ。

※参照記事

がんの「余命宣告」の正しい意味を知っていますか?

がんの余命宣告って、信頼できるの?

石徹白未亜(ライター)

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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いとしろ堂

最終更新:2022/04/18 18:06
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