【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮家、悠仁さまの進学はどうなる? 天皇をめぐる歴代の教育問題、授業についていけず1年で中退のケースも

2022/04/23 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

大正天皇は、最小限の年数で膨大な量のカリキュラムを修得

――ただ、そうした教育関連の問題は外からは見えなかったのですよね。

堀江 そうですね。将来の天皇が学習院を、早い話、学校の厳しいカリキュラムをこなすのに体がついていかず、中等科1年で中退せざるを得なかったというのも現在であれば大スキャンダルだったでしょう。まぁ、現在では中学校は義務教育なので中退できませんけれど。

 現代日本では、○歳くらいまでに大学を卒業しているのが普通、といった卒業と年齢についてのルールみたいなものがありますよね。現在でも外国では、30代前半くらいまで学生でいる人もいるし、戦前の日本でもそういう傾向は結構あったと思います。しかし、皇室の教育は違ったようです。

 大正天皇は、最小限の年数で膨大な量のカリキュラムをこなさねばなりませんでした。つまり、将来天皇になると目される皇子、つまり皇太子だったからこそ、それだけの厳しい期待に応えねばならなかったということがわかります。

――勉強まみれの酷な環境でおかわいそうです。そんなカリキュラムを作ったのは、やはり担当教師なんでしょうか?

堀江 実は教育カリキュラムは先生である学者たちが決めたものではなく、東宮職の役人たち(現在でいえば宮内庁の皇太子付きのお役人たち)がすべて決定していました。

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