【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇室ブランドの「学習院」、そもそも“獄道者”予備軍の救貧学校だった!? イメージと大違いの史実

2022/04/09 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

天皇と超特権階級の学校として国が保護するように

堀江 また、明治17(1884)年、開校当初は私立学校だった学習院は、宮内省(当時)管轄の官立学校になっています。要するに皇族の長である天皇と、天皇を取り囲む皇族・華族をはじめとした超特権階級の子どもたちが集まって教育を受ける場所としての学習院と、その教育文化を国が率先して保護するという姿勢を見せたのです。

――すごい特別待遇! 現在の学習院は、その輝かしい歴史と伝統を引き継いでいるのですか?

堀江 そうです。しかし、いくら皇族・華族の学校として学習院がスタートしたところで、華族というものは一枚岩ではなく、経済格差がすごくありました。明治維新後もやっぱり中流以下の公家の子弟は貧しく、学校に通うことが難しかったという話もあります。華族だから誰でも学習院に通えたという話ではないというエピソードですね。

――当たり前ですが、お金に困る華族もいたんですね。

堀江 そういえば、往年のNHK朝の連続ドラマ小説『花子とアン』で、仲間由紀恵さんが好演していた蓮子(れんこ)というキャラのモデルは、大正時代に実在した柳原白蓮(やなぎわら・びゃくれん、大正天皇の従妹)です。

 史実の彼女は十代で公家の北小路家の男性と政略結婚しました。しかし、夫婦仲が悪く、息子を授かったもののすぐに離婚しているのです。息子は婚家に取られてしまいました。

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