[再掲]ドラマレビュー

福山雅治、『ガリレオ』シリーズ第3弾で話題! “二枚目”から“おじさん”まで演じる俳優としての成長

2022/04/28 12:40
成馬零一
福山雅治、『ガリレオ』シリーズ第3弾で話題! 二枚目からおじさんまで演じる俳優としての成長の画像1
やっぱりましゃは眼鏡が似合うね!(C)サイゾーウーマン

 福山雅治が主演を務める『ガリレオ』シリーズの劇場版第3弾『沈黙のパレード』(9月16日公開)。4月27日には、最新ビジュアルと特報映像が解禁され、ネット上ではファンが歓喜の声を上げている。

 同作は、東野圭吾氏の推理小説『ガリレオ』シリーズ(文藝春秋)を原作とした映像化作品。2007年にフジテレビ系で連続ドラマ『ガリレオ』が放送され、平均視聴率21.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大ヒットを記録した。

 翌08年には劇場版第1弾『容疑者Xの献身』、13年には連続ドラマの第2シーズンと、劇場版第2弾『真夏の方程式』がそれぞれ公開。そして今年、劇場版第3弾『沈黙のパレード』が封切り予定だ。

 約15年にも及ぶ長期シリーズで、主役の天才物理学者・湯川学を演じているのは、俳優やシンガーソングライターとして活躍中の福山。ミリオンセラーを持つ歌手でありながら、1991年のドラマ『あしたがあるから』(TBS系)に初出演したのを皮切りに、10年放送のNHK大河ドラマ『龍馬伝』では主演を務め、好評を博した。

 19年にはTBS系「日曜劇場」枠の連続ドラマ『集団左遷!!』で、主役の銀行員・片岡洋を熱演。ドラマ評論家・成馬零一氏は、サイゾーウーマンにおける同作のレビュー記事にて、「やっと福山も、こういう役を演じるようになったのか」とつづっており、これまでの「クールな二枚目」キャラクターから、「等身大路線」に変わった作品だと分析している。

 そこで、『沈黙のパレード』への期待が高まっている今、同記事を再掲。“俳優・福山雅治”がどのように形作られたのか、ぜひ振り返ってみてほしい。
(編集部)


『集団左遷!!』等身大の“おじさん”を演じるようになった、俳優・福山雅治の成長

 『集団左遷!!』(TBS系)は不思議なドラマだ。放送枠は『下町ロケット』等のおじさん向け企業ドラマを放送していることに定評がある「日曜劇場」だけに、始まる前は硬派な大人向け作品になるかと思っていたが、どうも思っていたものと違う。

 物語は、銀行員の片岡洋(福山雅治)が蒲田支店長に就任するところからはじまる。出世に喜ぶ片岡だったが、蒲田支店は経営の合理化のため廃店となることが決まっていた。半年間で100億円のノルマを果たさば廃店を免れるというが、何もしなくていい、廃店後の立場は保証する、と釘を刺される片岡。悩んだ末に片岡は本部に反発し、部下たちと共にノルマ達成に挑む。

 展開自体は「日曜劇場」定番である“おじさんたちの逆転劇”で、脇を固める香川照之や三上博史の演技はシリアスだ。しかし、主演・福山の演技はオーバーアクションでドタバタしているため、他俳優との落差が生まれてコメディのようにも見える。「演技のミスマッチ」と受け取る人も多いようだが、シリアスとコミカルのギャップが新鮮で、個人的には毎週楽しみにしている。

 何より、福山が“ヒーロー”ではない等身大の男を演じたことに驚いた。だが同時に「やっと福山も、こういう役を演じるようになったのか」と感慨深くも感じる。

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