仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

カズレーザー、最大の魅力は「自意識に振り回されないこと」? オープンカーを“笑う”芸人との違い

2022/03/03 21:00
仁科友里(ライター)

オードリー・若林正恭ら、芸人たちに刷り込まれている“自意識の呪縛”

 2017年1月7日放送のラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で若林は、オリエンタルラジオ・藤森慎吾に、体格が小柄なのに高級大型車・ランドクルーザーに乗っているのは「ダサい」と言われたことを明かした。藤森は「若林さんはプリウスとか、そういうのでいいんすよ」とも話したそうだ。

 高級車と芸人といえば、平成ノブシコブシ・吉村崇は15年放送の『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京系)で、免許を持っていないのに、2000万円もするBMW i8を借金してまで購入したと告白。本当は芸能人の彼女を助手席に乗せたいけれど、それは無理なので、地上波に出られていないレベルのグラビアアイドルを乗せているとも語り、その場にいた千原兄弟・千原ジュニアや小藪千豊、フットボールアワーは笑っていた。

 自動車メーカーは車が売れればうれしいわけだから、大柄な人でなくてもランドクルーザーを売るし、超高級車の助手席に誰を乗せようと関係ないはずだ。

 しかし一方で、車というのは「いつもとは違う何か」もつきまとう買い物のようだ。車は「自分は人からこう見られている」という自意識を購入者に発動させてしまい、周囲も「あいつはあの車に似つかわしくない」「この車にはこういう女でないと乗せられない」「あの車に乗っている人は○○に違いない」といったジャッジをさせるのかもしれない。

 でも、そうした「似つかわしくない」「目立ちたがり屋に違いない」といった周囲の反応を気にするのは、“自意識の呪縛”でしかないだろう。似合ってないのは「ダサい」、目立ちたがり屋は「恥ずかしい」という呪縛だ。なので、オープンカーに乗る人たちの言動が理解できずに笑ったのではないか。

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芸人なのに「目立ちたくない」って変な話だ
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