プウ美ねえさんのエプロンメモ

【お悩み相談】過干渉な母親にウンザリ! 実家を出たい人にプウ美ねえさんが「手紙を書くこと」を勧めるワケ

2022/02/28 21:00
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

(C)熊田プウ助

<今回のお悩み>
「過干渉な母親にウンザリ」

 プウ美ねえさんこんにちは。私は過干渉な母親にうんざりしています。私は実家暮らしなんですが、平日に帰りが遅くなったり、休みの日に友達と出かけようとすると、「こんな時間までどこで何をしていたの?」「誰とどこへ行くの?」「帰りは何時になるの?」といちいち聞いてきます。

 一人娘なこともあり、心配してくれていることはわかるのですが、この年になってもいろいろ干渉してくるので、正直うんざりしてしまいます。母はまるで夫の浮気を疑う妻のごとく、私のいないところで勝手にカバンや財布の中身を見たり、ゴミ箱の中身までチェックしているようで、「やめて」と言ってもなかなか聞く耳を持ってくれません。

 これまでにも何度か「一人暮らしをしたい」と話をしたのですが、母には猛反対されてしまいました。どうしたら、母を納得させられるでしょうか?(24歳、りさんぬ)

 【プウ美ねえさんの回答】
 こちらに寄せられるご相談でしばしば思うことですが、他人の気持ちを変えたり、不都合なことを納得させるのはとても難しいものです。まして親は、子の意見にたいして簡単に態度をあらためたりしません。お互い自立できる環境であれば、とりあえず距離をおくことが最善だと思います。

 おねえさんの家もそっくりです。ちょうどその年頃に家を出て、30年ほど離れました。最近介護のために近くにひっこしましたが、「なんで出てったんだっけ?」と聞かれ力が抜けたものです。

 「勝手に引き出しをあけて、仕事であるホモ漫画の原稿をみつけ出して、異常だ異常だと騒ぎたてたから、一緒に暮らすのは無理だと伝えて離れたんですよ」と丁寧に説明したところ、「そうだったっけぇ?」といわれ再び力が抜けました。感情的に言葉をぶつけて出ていったので「若者らしいフラストレーションの爆発」と都合よく解釈されたようです。

 あなたにはぜひ、手紙を書くことをすすめます。冷静に、短く理由を書いて、出て行った後でご実家に送ってごらんなさい。責める言葉は控えめに。今後の生活の計画と、これまでの感謝を書きましょう。そのほうが染みます。

 家を出たい理由が「一人でやりたいことがある」「住みたい場所がある」ではなく、単純に干渉から逃れるだけならば、家にいたままそれを薄める方法もあります。お母様の注意を分散させるのです。友達や恋人を何日も寝泊まりさせたり、バンドや劇団を結成して家を練習場所にするのもよろしい。さいごまで面倒を見る覚悟と経済力があるなら、動物を飼うのもよい手です。鳴き声のひびく大型インコなどがいれば、お母様の言葉に聞こえないフリができます。

 【今月のエプロンメモ】
 もしかしたらあなたの中にまだ、親を絶対的なもの、従うべきものとして遠慮している部分があるかもしれません。一度距離を置くことで、彼らも普通の他人であり間違ったり悩んだりしているのだ、と気づけることがあります。そのときには新しい形の優しさや、かわすスキルが芽生えるはずです。

<お悩み大募集>
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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2022/02/28 21:00
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