『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』ほとんど福祉の領域にある不動産業「おせっかい男とワケありな人々~あなたのお家 探します~」

2022/02/07 18:38
石徹白未亜(ライター)

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。2月6日の放送は「おせっかい男とワケありな人々~あなたのお家 探します~」。

あらすじ

 アフロの髪形におしゃれなパーカーと、古着屋店員のような見た目の高橋大輔は「おせっかい不動産」の代表だ。おせっかい不動産には店舗も看板もない。神戸市長田区にある介護付きシェアハウスの、高齢者たちがたたずむ大広間の一角でパソコンを立ち上げ仕事をしている。

 このシェアハウスを運営する首藤が高橋と意気投合し、「自分たちの理想の不動産屋をつくろう」と持ち掛けたという。首藤はかつて自分におせっかいをしてくれたおばちゃんと高橋がかぶると話す。おせっかい不動産は、ほかの不動産会社なら断ってしまうような「割に合わない」仕事も引き受ける。

 火事で家を焼け出されてしまった、生活保護で暮らしていた身よりのない福永には新居を探すだけでなく、中古ながら状態のいいテレビや冷蔵庫、さらには家具から包丁まで家財道具一式を調達して引き渡していた。

 病気でほぼ目が見えない一人暮らしの美津子は、当初おせっかい不動産で家を探すも予算の折り合いがつかず公団に入ることになり、高橋の顧客ではなくなったのだが、一度会った縁と、高橋は引っ越しまで手伝う。また、91歳の身寄りのない女性が亡くなった際は、遺品の整理も手伝っていた。

 採算度外視のおせっかい仕事もためらいなく引き受ける一方で、高橋はもともと大手不動産会社の営業マンだった経歴を生かし、数百万円の契約もこなす。

 そんなおせっかい不動産に新人女性、岡崎が加入した。岡崎は今も大阪・西成で日雇い労働者の生活支援を行うNPOで働いており、そもそも首藤の介護施設の手伝いを希望していたが、おせっかい不動産に配属される。当初、おせっかいはありがた迷惑だと思われるのでは、と岡崎は戸惑いを番組スタッフに口にしていた。

 次なるおせっかい不動産の顧客、79歳の橋迫はがんが見つかり、それまで住んでいた風呂なし、水場も共同の2畳の部屋より、もっと環境のいい部屋のほうが良いだろうとソーシャルワーカー経由で依頼が入る。

 この家探しにおいて、ケアマネージャー、ヘルパー、訪問看護が集い、岡崎は「(その中に不動産会社である)おせっかい不動産がいていいんだっていうのはすごくしっくりきました」と腑に落ちた様子で話しており、その後、橋迫をひとり訪ね、生活の様子ごく自然に尋ねる岡崎の姿も放送されていた。

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