『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』専業主婦志望のハード婚活「結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~前編」

2022/01/17 18:49
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』一方で、ミナミはミナミの問題も

 一方で、ミナミもミナミで婚活を通じ問題点が出てくる。長谷川がTシャツや寝具をイトーヨーカドーで買っていることに対し、ミナミは「資産家はケチが多いというのは本当かもしれない」と植草への相談メールに書いていた。

 長谷川は別にミナミにおごらないわけではない。自分が服を買う店だけで、ここまで勘ぐられたらたまったもんじゃないと長谷川に同情した。

 さらに、それはないなと思ったのが、資産家の息子である長谷川について、ミナミが番組スタッフに発した言葉だ。

 「正直(長谷川が)イヤなわけじゃないんですけど、結局私は労働者として一生懸命働いているわけであって(略)でも相手のその人はもともとお金持ちだから、そこまで自分を追い込んで働いたことあるのかなって思っちゃって。そんな住む世界が違う人とやってけるのかなって」という発言だ。

 「格差社会の不公平」「住む世界が違う人と結婚することの不安」自体はわかるのだが、しかし、そもそも共稼ぎの家庭で育ったミナミは専業主婦志望という前提から、相手は「住む世界が違う」人になるはずなのだ。

 住む世界が違うことになるであろう人を志望しながら、住む世界の違いに不満や不公平感を覚えるなら、一体何がどうなればミナミは満足するのだろう。

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