オンナ万引きGメン日誌

万引き犯と勘違いし誤認捕捉! 「人を泥棒扱いして!!」激怒する客に店長がとった行動とは

2021/12/25 16:00
澄江(保安員)

死角だらけの店内で焦るGメン「早く挙げてラクになりたい」

 当日の現場は、都内にある有名繁華街の端に位置する大型ディスカウントストアA。時間を問わず、人通りの絶えない街にある24時間営業のお店です。この日の勤務時間は、午前11時から午後19時まで。ホームレスの人や朝から酒に酔っている人たちの顔を眺めながら、商店街のアーケードを抜けて現場に向かい、出勤の挨拶を済ませて現場に入ります。

 早速に巡回を始めると、店内のレイアウトが複雑すぎて、前半の勤務だけでも3人の見送りがありました。店の中央に大きな棚があるため、売場の半分が死角になっており、近づけば気付かれ、離れすぎれば見失うような状況でうまくいかなかったのです。恐れずに言えば、犯意を誘発するレイアウトといえ、店舗の良識を疑う気持ちにさせられました。

(早く挙げてラクになりたい)

 見送りが続くと、自分の能力に対して疑問が生じてしまい、言い知れぬ焦燥感に襲われます。ましてや犯行の一部始終を現認して、あとは外に出るのを待つばかりという状況にまで至った後に、被疑者の姿を見失い逃げられてしまえばなおさらのこと。まんまと商品を持ち去られて、ひとりテンパってしまった私の前に、自然と次の不審者が現れました。白いフリースを着て、黒のロングスカートをはいた30代と思しきOL風の女性が、手にかけたルイヴィトンのバッグの中に化粧水を隠すところを現認したのです。

 どことなく大沢あかねさんに似た女は、続いて高級保湿クリームを手にすると、まもなくバッグの中にねじ込みました。すぐにバッグのチャックを閉じて、平然とした様子で出口に向かって歩いていきます。

(まかれないようにしないと)

万引き
焦りが命取りになったのね
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