『二月の勝者-絶対合格の教室-』レビュー

受験塾に通っても「勉強しない」生徒、黒木が取った行動は……? 『二月の勝者-絶対合格の教室-』

2021/12/04 18:30
桜田モモ (ライター)

「勉強に向いていなくても」塾に通えるように

 第7話では、黒木が繁華街の雑居ビルの一室で無料塾 「スターフィッシュ」を経営していることが明確になった。

 「スターフィッシュ」に通っているのは、一見「普通」に見えるが、ひとり親や経済的な事情で「塾に通えない」子どもたちだ。月に一度は誕生日パーティーが開かれるスターフィッシュもまた、いわゆる相対的貧困下に置かれた子どもたちにとっての「放課後の居場所」であり「学びの場」なのだろう。

 黒木は、問題児の王羅についても「周りの生徒よりも幼く、勉強に向いていないとしても塾に通わない理由にはなりません」と語っていた。

 桜花系列の個別指導塾「ブルーミング」のオープンを急いだことも含め、黒木は子どもたちの「学びの場」の保障や提供に熱量を注いでいるように見える。黒木がそのような行動に邁進する理由は今後明かされていくだろう。

 12月4日放送予定の第8話では、第5話で父親から教育虐待を受けていた成績トップの島津順(羽村仁成)の家庭問題が再びクローズアップされる。塾講師に他人の家庭の中にまで踏み込む権限はないと言っていた黒木だが、果たして……。

桜田モモ (ライター)

桜田モモ (ライター)

関東在住、小学生ママ。嫌いな言葉は「心を一つに」「 服装の乱れは心の乱れ」。

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最終更新:2021/12/04 18:30
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放課後の居場所としての機能もあるのかあ
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