『二月の勝者-絶対合格の教室-』レビュー

父親の暴君ぶりが「教育虐待」? 過去問を解けない子どもに激高、母親を罵倒! 『二月の勝者』第5話

2021/11/20 18:30
桜田モモ (ライター)
『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系)公式サイトより

 中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。11月6日放送の第4話では、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」に通う男子生徒の母親が、非協力的な夫にブチ切れ。「課金ゲーム上等!!!」をはじめとする母親の台詞は、Twitter上でも「名言」「これが母親の狂気か」と話題沸騰だった。

あらすじ

 11月13日放送の第5話では、「中学受験の天王山」と呼ばれる夏期講習がスタート。夏休み中6年生の生徒たちはほぼ毎日塾に通い、午後1時から8時まで授業。自習室も朝9時から開いており、1日中塾にこもって勉強する子も少なくない。さすが、 夏期講習代が18万2,000円もかかるだけのことはある( 第4話参照)。「課金」する親にしてみれば、 なるべく我が子に元を取らせたいだろう。

 ちなみに、桜花ゼミナールは成績上位順にΩ・A・Rの3クラスに分かれており、クラス分けはテストの点数によって決定される。中学受験では、本人の努力は評価されず、入試の「点数評価」によって合否が判断されるため、「ここでは目に見えないもので評価することは本人のためにもならない」と黒木は言う。

 自習室では、Ωクラス成績トップの島津順(羽村仁成)とAクラスの上杉海斗(伊藤駿太)が取っ組み合いのケンカに。発端は、順が海斗に対して「偏差値60以下の学校なんて学校じゃない」「そんなところ目指しているなんてまじゴミだし」と暴言を吐いたこと。黒木は、 「悪いのがどちらかを裁くのは塾の仕事ではありません」「塾では道徳という科目は教えていません」と口にし、翌日からΩクラス専用の自習室を用意するという、一見ドライな対応を取った。

 順の家庭では、父親・弘(金子貴俊)が桜花の勉強方法や宿題を否定し、自己流の勉強方法を息子に強要。順と母親・優子(遠藤久美子)は怯えて暮らしていた。父親が用意した偏差値54の学校の過去問題を順は半分もこなせなかったが、夏の段階で、過去問の合格ラインを超えるのはそもそも難しい。しかし父親は激高し、壁に問題集を投げつけ、母親にも怒りを向ける。翌日、順は塾をサボり、桜花は大騒ぎに。

 順を見つけたのは、居所に心当たりのあった海斗だった。海斗は桜花に来る前は大手名門塾「ルトワック」に在籍しており、双子の弟は今もルトワックの最上位Sクラスにいる。自分は親に期待されていないのだと諦観気味の海斗と、そんな海斗を目の敵のようにしていた順は、それぞれの本音を打ち明けることで、心を通わせる。

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教育熱心は目線を変えれば虐待の要素も孕む
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