となりの脱会くん

カルト宗教を脱会した日、私は『アルマゲドン』の主人公になった。親との関係は“世紀末”に、でも「辞めてよかった」ワケ

2021/11/24 18:30
DJ2世 a.k.a 脱会くん(ライター)

「『カルト』と呼ばれる新興宗教の信者である両親の元に生まれた私は、子どもの頃からずっと(うさんくせぇ……)と思ってきた」――「脱会くん」ことライター・DJ2世がつづる、みんなに知ってもらいたい、2世信者だった私の日常と本音。

 これは青春の1ページ――私はとあるカルトと呼ばれる宗教の元2世信者である。子どもの頃から熱心な宗教教育を受けていたのだが、心の底ではまったく洗脳されずうんざりしていたので、大学生になって一人暮らしを始めたら、脱会すると心に決めていた。

 きっと読んでくれている皆さんの中には、宗教から脱会したくて悩んでいる方もいることだろう。今回は、鳥かごの外に見える大空に憧れ続けながら過ごした私の青春と、その顛末である。

「DJ2世 a.k.a 脱会くん」少年〜高校時代

 高校時代、私は“限界”を迎えていた。

 嘘と詭弁ばかり言う大人たちと、どんどん洗脳されロボットのようになっていく友人たち。振り返れば、どれほどの時間を宗教に奪われてきたのだろう。オレの人生、うさんくさい時間が長すぎる。今ならまだやり直せるはず! 

 この頃の私は、もはや宗教にではなく、脱会に一縷の希望を抱いていた。

これ脚色していません。本人たち大マジ(C)DJ2世 a.k.a 脱会くん

 宗教を脱会することは、これまで属していた信者コミュニティとの決別を意味している。子どもの頃からそういったコミュニティに出入りしていたので、気づけば携帯の電話帳には信者の知り合いばかり。仲のいい知り合いの信者とも会えなくなるのだ。本当に一人でやっていけるのか……不安は尽きない。

 何より、自分が脱会すると、親が悲しむだろうと思った。実は私は生まれてからずっと、その宗教を信じているフリをし続けていたので、親からすれば、脱会なんて寝耳に水。そんな“爆弾”を家庭内に持ち込むのは、大問題だろう。

 断っておくが、カルト宗教2世の脱会者には、自分の親が嫌いな人もいるが、私は実は親が大好きである。そこらへんうまくやってきた。1世の大人たちは、とにかくおかしな人もたくさんいたが、私の親はまだマシなほうというか、至極善人で、騙されやすい人という印象である。脱会して騙し討ちしてしまうことには、恐ろしいほど気が引けた。だが仕方がない、我々は信じているものが違うのだから……!

 その頃、ブルーハーツばかり聞いて「自由」に感化されていた自分自身を、私は止めることができなかった。

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