[女性誌レビュー]「婦人公論」2021年9月14日号

江原啓之、熱海支援を「霊界の力」と結び付ける意図は!? 『婦人公論』で語る「災害から身を守るための心得」の違和感

2021/09/04 14:00
島本有紀子(ライター)
江原啓之、熱海支援を「霊界の力」と結び付ける意図は!? 「婦人公論」インタビューの違和感の画像1
「婦人公論」2021年9月14日号(中央公論新社)

 「婦人公論」(中央公論新社)の9月14日号が発売中になりました。沢口靖子が表紙を飾る今号の特集は「『夏バテ』放置は危険がいっぱい」。

 冷え、脱水、不眠……といった、婦人公論おなじみの不調への助言が盛りだくさんですが、それ以外の読み物もバラエティーに富んでいます。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎読者体験手記 ああ、エアコン狂騒曲
◎みのもんた パーキンソン病を得た今も女性と連れ立って歩きたいね
◎江原啓之 災害から身を守るために私たちに必要な心構え

エアコンについて2,400字もつづる読者の熱意

 最初に見ていくのは、読者から寄せられる体験手記のコーナー。今回のテーマは、夏のエアコンをめぐるひと悶着にスポットを当てた「ああ、エアコン狂騒曲」。なんとピンポイントなお題でしょうか。

 今回、採用されているのはお二人。一人目は美術館の監視員として働く方。貴重な美術品を劣化から守るため、展示室の室温は常時18度に保たれているそうで、冷え症のこの方にとっては大変つらいとのこと。そのつらさについて、約2,400字を使って表現しています。すごい。“職場が寒い”というたったそれだけのことを両親、亡き祖母、同僚、自らの性格などのエピソードを挟みながら、こんなに熱くボリューミーに書ける人は、そうそういません。

 もう一人は家電量販店に勤めて18年という方。主にエアコン売り場が担当だそうで、店頭で見たエアコンをめぐる家族ゲンカあれこれを紹介。各家族の人間模様を写し取っています。「婦人公論」の読者手記にかかると、どんな出来事もドラマチックかつエモーショナルになりがちですが、エアコンという一家電さえも胸に迫るモチーフに変換する読者の手腕、恐るべしです。

みのもんた、久々の“お嬢さん転がし”芸

 次に気になったのは、みのもんたのインタビュー「パーキンソン病を得た今も女性と連れ立って歩きたいね」。昨年春に『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ系)を降板し、「現在、テレビの仕事はゼロ」という彼が、ひさびさに読者の前に登場しています。

 77歳にしてTシャツ、ジーンズ、素足にローファーというシンプルなファッションを着こなしているみのもんた。昨秋、「週刊文春」(文藝春秋)でパーキンソン病であることを公表していますが、見る限り元気そうです。

 読者に向けては、「男はみんな若い女性が好みのように言われるけれど、そんなことはないですよ」「素敵な歳の重ね方をしている女性は、僕にとって『お嬢さん』です」とメッセージ。「あらためて、みなさんに言いましょう。『あなた、男たちに見られていますよ!』『狙われていますよ!』」と呼びかけています。若干うさん臭いのも相変わらずですが、やはり「お嬢さん」がたの潜在的ニーズを汲むのが上手いようです。この“お嬢さん転がし芸”、テレビでもう見られないのかと思うと一抹の寂しさも感じました。

婦人公論 2021年 9/14号 [雑誌]
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