知られざる女子刑務所ライフ124

刑務官が受刑者に「ゴジラのものまね」強要! 元女囚が考える「刑務所のイジメ」問題

2021/08/22 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

刑務官には「お礼まいり」より裁判で仕返し

 刑務所で反省・更生はムリ、ちゅうのは何度も書いてますが、刑務官がムダにいばってるのも理由のひとつです。もちろん刑務官は「なめられないように」あえて厳しくしてるんでしょうが、そんなんで反省なんかできません。まあそれでも、たいていの恨みは出所すると忘れます。忙しいから。

 おかげさまで瑠美は帰る家も家族もありましたが、懲役に行くような人は家族から縁を切られていることも多いので、出所したら、まず住むところや仕事を探すだけで精いっぱいです。ムショ帰りでもできる仕事なんか、限られてますしね。

 せやから刑務官からのイジメを出所後もずっと覚えてて、お礼まいり(仕返し)までするのは余裕がある人ともいえます。

 前に書きましたが、瑠美の知り合いの知り合いは、出所後に刑務官の自宅を突き止めて郵便受けに生きたマムシを入れたそうですし、刑務官の子どもをさらって、子どもの背中に刺青で「鬼の子」と彫った不良もいてましたね。

 でも、仕返しでパクられ(逮捕され)て、またムショに戻ったら意味ないですし、どうしてもしたいなら弁護士さんに相談するしかないですね。たまに裁判で勝った人がニュースに出てますが、「編集者さん調べ」でいちばんウケたのは、福島刑務所で懲役にフェ〇チオを強制して特別公務員暴行陵虐罪で起訴された刑務官ですね。懲役3年の判決を受けて懲戒免職処分になっていました。今頃どこで何をされてるんでしょうか? 

 福島刑務所の不祥事はほかにもあって、刑務官による刑務官へのいじめで、うつ病になった例もあるそうです。

 オッサンの上司が部下の女性刑務官に「受刑者がお前の裸を想像してオ〇ニーしている」とか言ったり、体に触ってきたそうで、そりゃうつ病にもなりますよね。法務省はセクハラの事実を5年もかかって認めてますが、謝罪もなく、補償ももらえてないそうです。そんな刑務官のいる刑務所で「更生しろ」とかいわれましても、ムリですから。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2021/08/22 16:00
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