“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第560回】

ジャニー喜多川さんが逝って2年、ジャニーズが世界進出できなかった原因と皮肉な変化

2021/07/13 21:00
神林広恵(ライター)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 あれからもう1年――。今週の女性週刊誌全誌に踊った“三浦春馬”の名前。自死から1年がたったことで、さまざまな角度からの特集記事が企画されている。こうした記事を目にして、改めて1年前の衝撃を思い出した。

「週刊女性」7月27日号(主婦と生活社)

第550回(7/8〜7/13発売号より)
1位「独占レポート ジャニー喜多川さん 死去から2年、ジャニーズ事務所では“変化”が起きて――『60年来の悲願』と事務所を蝕む“消費期限”」(「週刊女性」7月27日号)
2位「新 われらの時代に 秋篠宮妃紀子さまと小室佳代さん あぁ、丙午の女たち」(「女性セブン」7月22日号)
3位「大谷翔平 家族が明かす 酒、恋人、プレゼント」(「週刊女性」7月27日号)

 7月9日、ジャニー喜多川氏の命日だ。ジャニーさんが逝って2年の年月が過ぎたことになる。「週刊女性」では、この間ジャニーズ事務所にはいくつもの変化があったとして、その内情をレポートしているが、その切り口としてクローズアップしたひとつが“アメリカ進出”だ。

 確かにジャニー喜多川氏はジャニーズ事務所を設立した当初から、自社タレントをアメリカに進出させることが夢であり、さまざまな試行錯誤をしてきたのは周知の通りだ。しかし、その夢は叶うことがなかった。が、記事では、その遺志は引き継がれ、例えばSnowManやSexyZone、King&Princeなどは世界進出に挑戦する動きを見せていることが紹介される。まあまあ好意的に。

 でも、実際はどうだろう。というのも、つい最近の7月3日に放送された『THE MUSIC DAY 音楽は止まらない』(日本テレビ系)を見てしまったから。そこでBTSが圧巻のパフォーマンスを見せたから。ネットでもジャニーズアイドルのパフォーマンスと比べ、“レベルが違いすぎる”“ジャニーズにとって公開処刑”などの声が上がったほどだ。

 もちろん、これまでも世界進出に成功したK-POP、BTSにあって、日本、ジャニーズにない“要因”はさまざまに指摘されてきた。数年前までネットには見向きもしなかったジャニーズの世界戦略の未熟さ。日本にばかり目を向けたドメスティック体質、パフォーマンスの質の違い、圧倒的語学力のなさ、社会的活動や発言のタブーなどなど。

 しかし、日本メディアはほとんど指摘しないが、ジャニーズが世界進出できなかったのには、それ以上の問題や原因があったと思う。それは、ジャニーズ事務所が長年行ってきた執拗な男性グループアイドル潰しだ。

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