オンナ万引きGメン日誌

「あら、嫌だ。こんなところで……」万引きGメンは見た! 変態少年のおぞましき“遺留品”

2021/07/10 16:00
澄江(保安員)

満足した少年は写真集を放置して逃走

 自問自答しながら葛藤していると、どうやら満足したらしい少年は、その場に写真集を放置してエスカレーターに乗り込んでいきます。商品の状態を確認する時間がなく、遠目から写真集の所在だけを確認して急いで後を追うと、そのまま1階まで降りて店の外に出てしまいました。

 早足で追いかけ、気付かれないまま射程距離に入れたものの、なんと声をかけていいのか言葉が浮かびません。売場で性器を露出していたのは間違いありませんが、写真集のラッピングを破いただけで盗んではおらず、証拠が弱いような気がして躊躇したのです。自分がどうすべきか思案しながら追尾していると、並びの書店に入っていくので、これ幸いとワッキーにLINEをして応援を求めます。

「あの子ですね? そっちでは、何をやったんですか?」

 店内で早速に合流して、これまでの経緯を説明したところ、まずは売場に放置された写真集の状況確認をすべきと意見が一致したので、少年の追尾をワッキーに任せて本来の現場に戻ります。とにかく急いで写真集が放置された場所に戻って、その状態を確認すると、中ほどのページ同士が液体によって貼り付いており、棄損された状態が確認できました。

「やっぱり汚していたので、声をかけます。今どちらですか?」

 常備しているレジ袋に棄損された写真集を詰めて、この上ない早足で並びの書店に舞い戻り、写真集コーナーに潜むワッキーの元に駆けつけます。声かけ前に証拠を確認してもらうべく、慎重に写真集を取り出してみせると、とたんに顔をしかめて言いました。

「うわあ、汚ねえ! たまにいるんだよね、こういうバカ」
「一応、見ておいてもらいたかったから、ごめんなさい。重ねて申し訳ないんですけど、ここで声かけさせてもらってもいいですか?」
「全然、いいっすよ。一緒に行きましょう」

 店内での捕捉は緊張するものですが、プロの男性のサポートが得られたことから、大船に乗った気持ちで少年の肩を叩きます。

「こんにちは、隣の店の保安員です。申し訳ないんですけど、さっき見ていた写真集。汚されちゃって困っているので、買い取ってもらえますか?」
「はあ? 俺知らないよ。関係ないです」

万引き
親御さんの衝撃……
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