知られざる女子刑務所ライフ121

牧師になった元暴走族、僧侶になった元ヤクザ……元女囚が考える「更生」のきっかけ

2021/07/11 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

清原和博さんがワンコと暮らし始めた

 またですか……と言われそうですが、ちょっと書かせてください。清原和博さんがワンコと暮らし始めたそうです。

 ペットショップでの衝動買いやなくて、ちゃんとお部屋をワンコ仕様に整えて、ブリーダーさんのアドバイスをしっかり聞いてからのお迎え。まだ赤ちゃんみたいに甘えるボーダーコリーをずっと抱っこしていました。ほんまによかった……。ああワンコになりたい。

 YouTubeのプロデューサーのマッコイ斉藤さんに「やっぱり1人で部屋にいると孤独でした?」と聞かれ、「孤独ですよ」と答えていたキヨが気の毒でした。

 クスリ(違法薬物)を使う理由は、ほぼ「寂しさ」です。ワンコと楽しく暮らして心が癒やされたら、うつ病もよくなって、クスリとはほんまに縁が切れると思います。

しょせん「きっかけ」は「きっかけ」

 ペットの癒やし効果は前から話題ですが、生き物を飼うのはいろいろ難しいですよね。

 でも、清原さんの場合は、いろんな人がサポートしてくれているし、もうほぼほぼ更生できてると思います。ワンコのおかげで、ますます心配なくなったちゅうことですね。

 更生のきっかけは、ほんまに「小さなこと」ですが、大事なんです。

 瑠美の場合は、21年連れ添った旦那さんの「瑠美なら絶対やり直せる。信じてるよ俺は」の一言でした。あと、最後の出所もきっかけになりましたね。この時にふと「二度とムショには戻らへん」と心の底から思えたんですよ。まあ、きっかけはしょせんきっかけに過ぎませんけどね。

 ずっとクスリをやめたいとか、悪い仲間と縁を切りたいとか思い続けて、ある日ふと「降りて」くるちゅうか、「もうやめよ……」と思えるんです。こうゆう「ふと気づく」感じは待つしかないです。少なくともクスリを使いながら「これで最後にしよ……」とか思てるうちはムリですね。

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