プウ美ねえさんのエプロンメモ

【お悩み相談】同棲相手のギャグがつまらなくてうんざり……プウ美ねえさんが提案する、“否定しない”という心構え

2021/07/02 14:00
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

【お悩み相談】同棲相手のギャグがつまらなくてうんざり……プウ美ねえさんが提案する、否定しないという心構えの画像1
(C)熊田プウ助

<今回のお悩み>
「同棲相手のギャグがつまらない」
 同棲中の彼氏について相談です。彼は、“自分はクラスメイトや家族のおちゃらけ人気者”という自意識でここまで生きてきたようですが、全然面白くないのです。

 彼は40歳なのですが、好きなお笑いタレントは、ザ・ドリフターズ、ビートたけしと、40にしてはずいぶん好みが古く、今の人気芸人をチェックしたりする意識は皆無。家でもコマネチなど、寒いギャグを繰り出します。「やめろ」と言ってもやめません。「古い、面白くない」と遠慮せずに伝え、最近は無視するようにしていますが、全然めげてくれないんです。

 それでも、同居することにより、一人暮らししている頃よりグレードの高い家に安く住むことができていますし、自分の預金残高がじわじわ増えてきている現状は捨てがたいものがありますが、いくばくかの金とコマネチを引き換えにしている自分にもうんざりしています。(コマハラさん、36歳)

【プウ美ねえさんの回答】
 恋人に何をされたらいちばん不愉快か。浮気、ギャンブル、暴力、会話や趣味やセックスの不一致。この感覚はひとによって違うので「笑いが合わないくらい些細なこと」とはいえませんね。あなたも十分おつらいのだと思います。

 しかし経済的に助かっていることは認めておられるし、外見や性生活への不満はひとつも書かれていません。むしろあなたのお便りからは明るく、機嫌の良い人物像が浮かびます。ウケないギャグをめげずに繰り出すなんて、すぐにへこんだりする男にくらべたら、ずいぶんよさそうです。

 まずあなたは、「ギャグに貴賎なし」を心に刻みましょう。外国ドラマなど見ると、日本とは笑いのツボがまったく違うことがあります。すべての時代・場所で通用するギャグは存在しないのです。大切なのは、それぞれのコミュニティで、人間関係を潤わせたり、だれかの悲しみを軽減させたりすることです。令和3年にコマネチを繰り出す40歳は希少かもしれませんが、これまでクラスメイトや家族を和ませてきたのならば、否定すべきではありません。

 また、ギャグを言うとすっきりする、という健康上の理由でたれながされている場合があります。その場合、本人ですらおもしろさを目指していません。くしゃみやあくびと同じです。いっそ、ペットのおトイレみたいなものだと考えたらどうでしょう。「ああ、きょうもいいコマネチでたねぇ、健康ねぇ」と喜んであげるのです。人前で不用意にコマネチを繰り出した時は、それはもう粗相ですから、その場で「NO」と叫んで悪いことだと覚えさせましょう。

【今月のエプロンメモ】
 おねえさんは、ビートたけしさんに対する悪意は一切ありませんので念のため。もしも未来の恋人がコマネチを繰り出すような人なら、負けずにレオタードを着てベッドでの床運動にいざないたいぐらいです。

<お悩み大募集>
サイゾーウーマン読者の皆さんから、プウ美ねえさんに相談したいお悩みを募集しています。下記フォームよりご応募ください。

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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2021/07/02 14:01
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