『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』40年前は6万匹以上、100倍あった動物の殺処分『はぐれ者とはぐれ猫 ~小さな命を救う男の闘い~』

2021/06/28 16:05
石徹白未亜(ライター)

多頭飼育崩壊を起こすのは「生きづらい人」?

 『ザ・ノンフィクション』では動物愛護をテーマにした回が多く、過去にも多頭飼育が崩壊した家が放送されていた。

 そういった飼い主(飼えていないのだから、個人的にはこういう人を飼い主と呼びたくないが)には共通して、地域、社会、家族とのつながりを感じさせない、生きづらそうな雰囲気を感じる。「地域のちょっと変わり者」の成れの果て、といったように筆者には見える。変わり者になってしまった本人にも、それまでの境遇に気の毒な部分もあるのだろうが、だからといって立場の弱い動物を巻き込む状況には、まったく同情できない。

 以前、動物愛護活動をしている人に取材をした際、「ネズミ算というが、猫もネズミ並みに増える、猫算だ」と聞いた。1年放置するだけで倍以上に広がるということだ。

 一般的な、不文律として大勢の人が当たり前だと思うモラル、道理が通じない人でも動物を飼えてしまうという現実がある以上、「この家はヤバい」と気づいたら一刻も早く役所などに通報することが、今取れる最善策なのかもしれない。

 しかし、通報は「自分が罪なき動物たちの殺処分の引き金を引くのかもしれない」というためらいはあるだろう。だがそこで周辺住民も見て見ぬふりをすれば、動物はますます増えていく。本当に難しい問題だと思う。

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