ルールって絶対じゃなくて、変えていくもの

うつ告白の大坂なおみ、セリーナら共感の声! 仏テニス連盟には「なんたる皮肉」「卑怯者」と怒声上がる

2021/06/02 18:13
堀川樹里(ライター)

「私たちはあなたの味方よ」というエールの一方、モレトン会長には「なんたる皮肉」の声

 この告白に、大坂が尊敬する選手セリーナ・ウィリアムズ(39)は、「わかる」と共感を示し、自身の1回戦勝利後の記者会見で、自分も「落ち込んでいるときに蹴落とされるような」会見を重ねて強くなったと述べ、「でも人それぞれ。私は厚くて強いけど、薄くて弱い人もいる」「なおみはベストを尽くしているわ」と称賛。セリーナの姉ビーナスも、「あなた(大坂)をとても誇りに思う。お大事に。近いうちにあなたが勝つ姿が見られることでしょう!」とコメントしている。

 女子テニス界の新星コリ・ガウフ(17)は「心を強くもってくださいね」、2017全米オープン覇者スローン・スティーブンス(28)は「ベイビーガール、私たちはあなたの味方よ。必要なだけ休んでちょうだい」とメッセージを寄せ、チェコ出身の伝説的プレーヤー、マルチナ・ナブラチロワ(64)も、「大坂なおみに同情する。彼女が大丈夫なことを願っている。アスリートは自分の体をケアすることは指導されるけど、メンタルや感情的なことは軽くあしらわれる。記者会見以上の問題。なおみ、お大事にね。みんな、あなたのことを応援している」と、Twitterで励ました。

 多くの選手が次々と大坂に同情を寄せ、テニス/スポーツジャーナリストたちは、記者会見欠席の罰を与えた主催者を強く非難。大坂の恋人でラッパーのコーデー(23)は、「誰にも謝る必要はない!」との攻撃的な投稿をインスタグラムにアップしている。

 一方で、男子テニス界のレジェンド、ボリス・ベッカー(53)は、テニス専門サイト「テニス365」で、「彼女はキャリアの危機にある」「メディアなしには賞金もないし、(スポンサーとの)契約もなくなるからだ。自分もメディアは嫌いだったけど、やらなければならなかった」「メンタルヘルスのために引退の危機に迫られることを深刻に受け止めるべき」と懸念を示した。

 モレトン会長は、大坂について「一刻も早い回復を願っている」との声明を発表。しかし、この件についてメディアの質問は受けないとし、ネット上では「なんたる皮肉」「卑怯者」と怒りを炸裂させる声が上がっている。

堀川樹里(ライター)

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

記事一覧

最終更新:2021/06/02 18:13
ジャパンタイムズ・ニュースダイジェスト(Vol.75(2018.11))
「時代遅れのルール」を見つめる機会に
アクセスランキング