インタビュー

「ウーバーイーツ配送」「自宅で起業」が“ご近所トラブル”に発展!?　マンション問題の解決方法を不動産のプロに聞く！

2021/06/23 15:00

サイゾーウーマン編集部

トラブルが増えても、ルールを変えられないコロナ禍ならではの理由

――「ルールを時代に合わせる」という話も出ましたが、すぐに変えられるものなのでしょうか？

日下部　それにおいてもコロナ禍が障害になっているんです。賃貸物件なら、オーナーの意向だけでルールを変えられますが、分譲マンションは一戸ごとにオーナーがいる状態なので、規約を変えるには所有者たちが集まり、管理組合での「理事会」や「総会」での承認を得るプロセスが必要になります。しかし、人が集まり「密」になってしまうので、昨年は多くのマンションで理事会や総会が見送られてしまったんです。

　それならば、オンラインで総会を開催しよう……となっても、マンションにはさまざまな年代の方が暮らしていますよね。高齢の方だけでお住まいの世帯だと、端末の操作に不慣れな方も多く、これもまたハードルが高い。こうした問題に頭を抱えているマンションも多いかと思います。

――なかなか簡単にはいかないんですね……。では最後に、もしトラブルがあった場合は、どこに相談すればいいのでしょうか？

日下部　賃貸物件の場合は、管理会社ですね。「大家さんが近所に住んでいて、共用部を掃除している」といった状況なら、大家さんに聞いてみてもいいかと思います。分譲物件の場合、簡単なことなら管理会社で対応してもらえるかもしれませんが、分譲物件の場合は管理組合がありますので、最終的な決定は理事会や総会の判断になります。どんな場合にしても、自己解決しようとせず「誰かに相談する」ことで、トラブルの早期解決につながるでしょう。

日下部理絵（くさかべ・りえ）
第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。管理会社勤務を経て「オフィス・日下部」を設立。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、穴場の街ランキングや新築マンション情報など、マンショントレンドにおいても見識が深い。ヤフーニュースへの記事掲載は300回以上。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。主な著書等に『すみません、2DKってなんですか？』（サンマーク出版）、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい！』（ダイヤモンド社）ほか多数。