インタビュー

“ご近所トラブル”が深刻化!? 「隣人のせいでアレルギー発症」「宅配便を住民に盗られた」衝撃の相談事例

2021/06/22 15:00
サイゾーウーマン編集部

火災で家が水浸し、宅配の荷物を盗られる……リアルなトラブル実例

――先ほど、「タバコでボヤ騒ぎ」という話がありましたが、火災は命に関りますから、「ご近所トラブル」では済まされない怖さがあります。

日下部 報道などを見ていても、火災のニュースはよく目にしますし、実際、東京消防庁が今年1月に発表した火災件数は前年と比べて増加しており、特にステイホームになってから、ガスコンロが原因の火災が増えているとのことです。最近もニュースにもなっていましたが、天ぷら油が発火した際、あわてて水をかけてしまい燃え広がり、さらに被害が大きくなってしまうケースもあります。

 火災は近隣住宅への影響も深刻です。例えば、集合住宅の301号室が火事になった場合、「火災の被害」そのものは、たいてい301号室内だけでとどまるのですが、消火のための放水による被害が大きいのです。階下の201号、101号室まで水浸しになってしまうので、「お金をかけてリノベーションをしたのに、上の階の火災で水浸しになってしまった」というケースもありました。マンション全体に足場を組んだ大規模修繕が必要になる場合もあるので、火災には十分注意してほしいですね。

――誰でもうっかりやりがちなことで、トラブルに発展する例はありますか?

日下部 外出自粛によって、通販を利用される方が増えたため、宅配関連のご近所トラブルが目立つようになりました。配達員の方から対面で荷物を受け取らず、家のドアの外に置いてもらう「置き配」を選んだのに、「荷物がない(盗られた)」「伝票から個人情報が漏洩」という例も。オートロックの住宅であれば、同じマンションの住人を疑ってしまい、ストレスにもなるでしょう。

――宅配ボックスが備え付けられているマンションもあるので、そちらを利用すれば解決しそうですが……。

日下部 しかし、今はどこのマンションも「通販を利用する人が増える=宅配ボックスが埋まりがち」な状況なんです。宅配ボックスに入った荷物をいつまでも受け取らない住人に、その他大勢の住人が迷惑する……といったケースもあります。

 さらに、宅配ボックスを宅配ボックスとして使わない人もいるんです。例えば、買い物をしたあと自宅まで戻るのが面倒なため、宅配ボックスに荷物を入れて別の用事に向かってしまう人もいるようです。共用部分にあるものを自分勝手に使うと、トラブルの元になるといえるでしょう。

(後編に続く)

日下部理絵(くさかべ・りえ)
第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。管理会社勤務を経て「オフィス・日下部」を設立。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、穴場の街ランキングや新築マンション情報など、マンショントレンドにおいても見識が深い。ヤフーニュースへの記事掲載は300回以上。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。主な著書等に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)ほか多数。

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最終更新:2021/07/01 19:40
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