「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」第1回

離婚後すぐ、結婚相談所で再婚を決めた47歳女性の理由「息子に連鎖させたくなかった」と語るワケ

2021/04/03 11:00
上條まゆみ
「息子には、しあわせな家庭から巣立ってほしい」離婚後すぐに結婚相談所に入会し、3カ月で再婚を決めた理由の画像1
Unsplashより

 人生、何度でも、いくつになっても、やり直しができる。間違えても大丈夫、もう一度、立ち上がって生きていこう!――そんなメッセージを込めてお送りする連載「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」では、失敗を糧にして「結婚」に再チャレンジし、幸せを手にしつつある人たちの物語を紹介していく。

離婚後すぐに結婚相談所に入会

 第1回は、47歳で離婚後、すぐに結婚相談所に入会し、3カ月で成婚退会(婚約)し、お見合いから6カ月後に再婚した千原良枝さん(50歳)に話を聞いた。

 待ち合わせ場所のカフェに現れた良枝さんは、柔らかなロングヘアで楚々としたたたずまいの女性だ。少女っぽいかわいらしさがあり、21歳の息子がいるようには見えない。

 離婚は、かなりのエネルギーを消耗する。20年ほども連れ添った仲なら、なおさらだ。「もう結婚なんてこりごり」となってもおかしくない状況で、しかも、当時18歳の息子がいた。それなのに、離婚後すぐに婚活を始めたのはなぜ?

「息子には、幸せな家庭から巣立ってほしいと思ったんです」

 最初の結婚が壊れた理由は、元夫が転職でストレスを抱えるようになり、家庭の状態が悪くなってしまったことだ。

 次第に息子が精神的に不安定に、良枝さんもストレスから重度の喘息になってしまい、精神的にも身体的にもつらい状況が長く続いた。そのような状況で、良枝さんの人生を変えたのは息子のこの一言だった。

 「ママの病気は僕のせい?」。息子に二度とそんなことを言わせてはいけないと思い、まずは心因性だとわかっていた喘息を克服するために独学で心理学を学び始めた。

 さまざまな本を読んだりカウンセリングを受けたり、講座に参加したりしながら、心理学について学びを深めていく中で、なぜ夫婦関係がうまくいかないのかを解き明かしていった。そして、離婚に至った原因のひとつに、自分の育った家庭環境からくる男性への不信感や自己肯定感の低さが大きく影響していること。また、夫婦関係の良くない環境で育った子どもは両親からパートナーシップを学ぶことができないと気づいた。それを息子に連鎖させたくなかった。

「息子には私が苦労する姿を見せてしまっていたので、このままでは、母親を守ることが自分の役目と感じて自分の人生を送れなくなってしまうかもしれないと思いました。それで、私がパートナーをつくって幸せになることで、息子も心配せず、自分の好きなことをやって自由に巣立ってほしいと思ったんです」

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