【連載】わが子から引き離された母たち

「元夫には再婚してほしい」子どもを連れ去られ、共同親権運動を行うシングルマザーが今思うこと

2021/03/30 21:00
西牟田靖

ママ友コミュニティとの縁がなくなり、打ちのめされた

――係争しながらの同居は、気持ちが休まらなかったのでは?

 明るい雰囲気が作れていました。食卓は一緒に囲んでいて、たとえ彼と話さなくても、それなりにうまくいっていたんですよ。連絡事項はメール、彼は私の作ったご飯を食べなくなったぐらい。当時は、いろいろできたんです。というのも、子どもがやっぱり元気だから。お出かけもおのおのがそれぞれ連れていっていたので、特に不便は感じませんでした。

――途中で何か変化はありましたか?

 親権者ではないということで、4月以降、私は小学校・保育園に入れなくなりました。「親権者以外の母親を立ち入らせるな」というような要望を彼が園に出してしまったからです。その一件によって、ママ友や子どもたちといったコミュニティの中の80%ぐらいとの縁がなくなってしまいました。あれには打ちのめされました。

――彼が子どもを連れて出て行く前触れはあったのですか?

ありません。「同居前提に裁判を進める」という話でしたし、アレルギーのある長女の食事は、私が作っていましたし。だから出ていく状況ではなかったんです。とはいえ、離婚した私が社宅に居座るのは確かに問題。なので彼には「会社には私から話しておくから」と話をしていました。それにもかかわらず、彼が子どもを連れて出て行ってしまった……。

子どもを連れて、逃げました。
子にとって母は母
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