そんな大事な番組だったのか

『爆報!THEフライデー』終了でTBS金曜は「死の枠」に!? 『ぴったんこ』『金スマ』に波及する危険とは

2021/03/08 18:48
村上春虎
『爆報!THEフライデー』(TBS系)公式サイトより

 3月5日、9年半にわたって放送されたTBS系バラエティ『爆報!THEフライデー』(金曜午後7時〜)が幕を閉じた。

 終了後の後番組は、ダウンタウン・浜田雅功によるクイズバラエティ『オオカミ少年』。人気芸人の浜田が務める番組とあって、今後も安泰と思いきや、この改編がTBSに与える影響は少なくないという。

「『爆報』は、芸能人の第2の人生などにフィーチャー。テレビ業界のキラーコンテンツである『あの人は今』企画を連発させることで人気を獲得してきました。2015年6月26日の放送回では平均視聴率17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマーク。瞬間最高は、八ヶ岳に住む俳優・柳生博さんが、その年5月に亡くなった息子さんへの思いを語るシーンで、20.4%でした」(業界関係者)

 ここ数年は、裏番組だった『沸騰ワード10』(日本テレビ系)としのぎを削ることも多かった『爆報』だが、それでも“優位”は変わらなかった。しかし昨年3月、ある転機を迎えたという。

「テレビ業界が“個人視聴率”を導入したのです。もともと視聴率といえば“世帯視聴率”で、これが高ければ人気番組と認められていた。ただ、この世帯視聴率は、人が見ているかはともかく、とにかくテレビがついていれば計測され、極論、ネコが見ていてもカウントされていたんです。一方、個人視聴率だと、何人見ていたのかが立ちどころにわかる。すると『爆報』は、個人視聴率ではさほど獲れておらず、さらにはほとんど50代以上しか見ていないことが露呈したのです」(同)

 ここから『爆報』の迷走が始まったという。

「とにかく若者ウケを狙って、都市伝説に心霊ものなど、オカルト路線に走り出した。でもこれが逆に裏目に出てしまい、世帯も個人も獲れないように。打ち切りはやむを得ない判断でしょう」(同)

 もともと、TBSの金曜夜は『爆報』の高視聴率の波を受けた形で、『ぴったんこカン・カン』(金曜20時〜)『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(金曜21時〜)まで高い数字を獲っていたが、『爆報』の低迷に引っ張られるように数字が下落していった。

「煽りを受けた両番組もテコ入れをするなど試行錯誤してはいますが、特に『ぴったんこ』は裏の『マツコ&有吉かりそめ天国』(テレビ朝日系)、さらに19年10月から金曜20時台に移動してきた『沸騰ワード10』(日本テレビ系)に常時負け続けています」(同)

 『爆報』に代わり、新たに登場する『オオカミ少年』は04年10月から1年間放送されてきた番組。16年ぶりの復活となるが、多くの視聴者にとっては、ほぼ“初見”ということになる。新番組の定着まで時間がかかることは明らかだ。

「この金曜19時台で勢いをつけているのが、裏番組の『ザワつく!金曜日』(テレビ朝日系)です。石原良純、長嶋一茂、高嶋ちさ子の3人による、毒がありつつも和やかなトークがウケて、世帯・個人ともに全局のバラエティの中でも視聴率トップ10に必ず入っています。そんな強敵相手に始まる『オオカミ少年』ですが、もしこれがコケた場合、TBSの金曜夜はまさに“死の枠”になることでしょう」(同)

 今後さらに不安が高まる金曜夜のTBS。当然、『ぴったんこ』『金スマ』も安泰ではいられないが、今後どのようにこの苦境を乗り切るのだろうか?
(村上春虎)

最終更新:2021/03/08 18:48
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