プウ美ねえさんのエプロンメモ

「まるで悪魔のような女です」姑をいじめる嫁に親戚困惑……プウ美ねえさんの考える“家族問題”

2021/02/28 14:30
熊田プウ助(マンガ家)
(C)熊田プウ助

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

<今回のお悩み>
「嫁が同居の姑を仲間外れにしている」
 子どもの頃から仲のいいいとこのお兄ちゃんがいるのですが、その嫁が、まるで悪魔のような女です。嫁にとっての姑(つまり、いとこのお兄ちゃんの母親)に対する態度がイカれており、親戚一同困惑しております。

 二世帯同居をしているんですが、嫁は姑を仲間外れのようにしていて、部屋を家のはずれに追いやり、家族旅行にも連れて行きません。姑が家の購入代金を半分以上払っているにもかかわらず、です。また、姑所有のブランドバッグや財布などを勝手に着服という行為も見逃せません。

 姑……私にとってのおばさんは、昔は気が強かったのですが、歳のせいもあるのか、めっきり元気がなくなってしまいました。いとこのお兄ちゃんが、嫁にガツンと言ってやれ! と思って特に何もしていないようです。

 この嫁をどうにかせよ、おばさんがかわいそうだと、いとこのお兄ちゃんに忠告すべきか。親戚も、あの家に寄り付かなくなっている状況で、私も悲しく思っています。ご助言お願いします。(あかね、38歳)

【プウ美ねえさんの回答】
 なぜ家族というだけで仲良くしなければいけないのでしょうか。実績で信頼を培った友人や仕事仲間より、名字が同じなだけの人をなぜ大事にする必要があるのでしょうか。自活するようになったら家を捨てて一人で生きてよい、という風潮になれば多くの問題が回避されるとおねえさんは思うのです。

 いとこお兄ちゃんは中途半端に同居などせずお嫁さんと二人だけで生活して、お母さんとは離れた状態で仲良くしておけば、部屋の位置がどうの家族旅行がどうのという問題は起こりませんでした。また、あかねさんにとっていとこ嫁は平和を乱す悪魔ですが、嫁の実家では「気の強い姑を組み伏せて家を支配した、あっぱれな英雄」かもしれません。意味のない境界線を作って、自分の家と他人の家を区別する考えかたが諸悪の根源なのです。

 あかねさんが一番納得する方法をお教えしましょう。いとこに直接忠告するのがまずいことはわかっていますよね。「俺がどんな女と結婚しても気に入らないんだろ」と笑われるだけです。たまに訪問しておばさんに加勢するのもいけません。小姑が増えたとばかりに嫁がはりきります(こっそりおばさんに会って愚痴を聞くのはよろしい)。まずは嫁に接触しなさい。いきなり嫁姑仲をいさめるのは悪手です。もっと物理的に距離をつめるのです。一緒にジョギングするとか、スパーリングとか、ぶつかり稽古、タイマンもよいでしょう。そして「家の外から来た女」というあなた自身の先入観をはずさなくてはなりません。ただの女同士になってから「うちの家族、どうおもう?」と聞いてごらんなさい。そこから平和的共存への解決策がみつかります。

【今月のエプロンメモ】
なんでそこまでしなければいけないのか、とお思いになったかもしれません。そうですね。家族だからって犠牲を払う必要はありません。その場合、汗をかかない外野は黙っていましょう。同居親族間ではバッグや財布の窃盗罪が成立しても刑はほぼ免除になります。おばさんに部屋の鍵をかけさせてください。

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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2021/02/28 14:30
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