『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』令和にスマホ没収、丸刈りの過酷な修行生活「ボクらの丁稚物語 ~泣き虫同期 4年の記録~ 後編」

2021/02/22 20:19
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。2月21日は「ボクらの丁稚物語 ~泣き虫同期 4年の記録~ 後編」というテーマで放送された。

『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)公式サイトより

あらすじ

 社員を怒鳴りつけようものならパワハラ、モラハラと騒がれるこの令和のご時世に「丁稚制度」を敷く、横浜の秋山木工。一点物の高級家具を手掛ける秋山木工に入社すれば、ケータイも恋愛も、酒もタバコも禁止で、家族との連絡も「手紙」だけになる。さらに男女の区別なく、みんな丸刈りだ。しかしそのような厳しい条件の中でも秋山木工の門をたたく若者は後を絶たず、2017年は5人が入社したが、その競争率は10倍だったという。しかし入社後は半数が脱落してしまうという。

 厳しい秋山木工の丁稚制度だが、これは昭和18年生まれの秋山利輝社長自身が丁稚奉公で鍛えられた経験による。秋山は戦中戦後の混乱期において、鉛筆やノートが買えない貧しい家庭で育ち、自分の名前が書けるようになったのは中学2年生だったという。その後秋山は、16歳から5年間丁稚修行し家具職人となり、皇室の仕事を請け負うまでに職人としての技術を極めていった。なお、秋山木工は「一人前の職人になる」のがゴールであり、会社にいられるのは8年までとなる。

 2017年春に秋山木工に入社したのは5人。入社半年で1人が脱落し4人になっていた。優秀でリーダー格ながらも、短気な久保田。佐藤は家族思いの涙もろい性格で、幼少期にI型糖尿病を発症し、パイロットの夢を諦め家具職人を目指す。加藤は代々続く造園業の跡取りだが、自分より年の若い同期・久保田から叱られることもある。内藤は家具屋の家で育ち、京都大学で建築を学ぶが勉強の意義を感じられず、引きこもりになり休学。父母の勧めで秋山木工へ進む。

 久保田は1年半で退職を選ぶ。その約2年後にスタッフが尋ねると交際中だった女性と結婚し子どももでき、今は家具の取り付け職人として働いていた。佐藤は若手職人が腕を競いあう技能五輪に出場。年齢制限で技能五輪に出場できない加藤と内藤も、佐藤をサポートする。

 技能五輪の全国大会当日、佐藤は糖尿病による低血糖でめまいを起こす。審判員が気づくほどつらそうな様子だったが、チョコレートを食べてしのぎ、制作に打ち込む。技能五輪の入賞は叶わなかったが、2017年組の佐藤、加藤、内藤は今も秋山木工で修行の道を歩んでいる。年に一度、秋山木工が行う展示会では、それぞれの家族が訪れ、作品に見入っていた。

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