インタビュー

コロナ禍で利用者急増の“就活アプリ”、「出会い目的」を避けるのは難しい? 採用コンサルタントが警鐘

2021/02/03 18:30
サイゾーウーマン編集部
写真ACより

 1月13日、就活中の女子大生に睡眠薬を飲ませて乱暴したとして、30代の男が逮捕された。報道によると、昨年10月、「OB訪問アプリ」を使って女子大生と知り合った男は、彼女を自宅に連れ込んでわいせつな行為をしたとして、準強制性交の疑いで逮捕。なお、男は同容疑でこれまでに二度逮捕されており、同様の手口で別の女性2人にも被害を与えていたという。

 コロナ禍の今、就活の形は大きく変化。「オンライン面接」を行う企業が増えただけでなく、SNSや「就活アプリ」を活用して情報収集する就活生も急増している。「OB訪問アプリ」もその一つだが、これを悪用した事件が起きているのも事実であり、ネット上では「わけのわからないアプリを使うのは危ない」「やっぱり、ネット上で就活するのは無理なんじゃないか」といった書き込みも見受けられる。

 また、昨年12月には「社長と晩ごはん」という就活マッチングアプリが、ネット上で物議を醸したことも。会社の社長と学生が会食できることをうたっており、「まるで“パパ活”みたい」「セクハラを助長するのでは?」などと疑問の声が噴出。「このアプリに登録してる会社は受けないようにする」といった意見もあるほど、批判的に見られていたようだ。

 こうした「就活アプリ」を安全に利用するためには、一体どうしたらよいのだろうか。『就活女子のための 就活迷宮から抜け出すトビラ』(TAC出版)などの著書がある就活キャリアアドバイザー・採用コンサルタントの井上真里氏に話を聞いた。

就職してからの働き方を見据え、アプリの利用は「冷静に考えて」

――わいせつ事件が報じられたこともあり、「就活アプリ」を警戒する声も出ています。そもそも、こうしたアプリを使うことにメリットはあるのでしょうか?

井上真里氏(以下、井上) リアルイベントが減っている今、知り合うきっかけがない業界や遠方の人ともマッチングできるので、便利なサービスだと思います。企業側からすると、自分たちの会社を知ってもらう目的や、純粋に学生を支援したい気持ちで登録されている方もいらっしゃるでしょう。

 ただ、学生側が無料で利用できるものである以上、就活生向けサービスの営業目的の利用や、 犯罪沙汰はあってはならないのですが、とはいえ、出会いを目的としたユーザーを100%避けるのは難しいといえます。

――「社長と晩ごはん」のように、いきなり社長と会うとなると、どうしても学生側の立場が弱くなってしまいそうです。「断りたくても断れない」といった状況も想定できますが……。

井上 「自分が受け入れられないことを、無理をしてのみ込まなくてはいけない」といった関係が生じるならば、就職してからもそんな働き方を求められると思います。冷静に考えて、自分を大切にしながらアプリを利用してほしいですね。

――「就活アプリ」を安全に利用するために、注意するべきことを教えてください。

井上 OB訪問をする際は、アプリに寄せられたほかの学生のレビューなどを参考に、先輩を選びましょう。接点を持つときは、オンラインや人目がある公共の空間が最適。食事の席でもし飲酒を勧められても遠慮するなど、安全な環境で話ができるようにしてください。

 相手とのやりとり中に「おかしいな?」と感じたら、「こちらからお願いしておいて申し訳ないですが、お話しさせていただく場所の変更は難しいでしょうか?」など、 自分から安心な方法を提案しましょう。

 就活アプリ以外に社会人と会うには、サークルやゼミ、研究室、学校のキャリア支援室、アルバイト先、家族などいろんな方法があります。普段から情報を探していれば、アプリを使わずに先輩や企業と知り合うチャンスも見つかるはず。自分の興味や関心を自ら発信しておくのもおすすめですよ。

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最終更新:2021/02/03 18:30
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