知られざる女子刑務所ライフ109

「のりピーは大丈夫」と元女囚が言い切るワケ——更生に必要な「居場所」と「役割」

2021/01/24 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

「のりピーは大丈夫な気がする」理由

 話がそれましたが、今回ののりピーの主演映画は、『空蝉の森』(製作は14年、亀井亨監督)ちゅうサスペンスやそうです。のりピーは『呪怨2』(03年)とかコワイ映画もやってましたけど、サスペンスでっか……という感想です。

 この映画は14年公開予定やったそうですが、公開が長引いたのは、のりピー逮捕のせいでなく、なんと製作会社が倒産してたんですね。

 ちなみにのりピーは公判で「介護職に就きたい」と言ってて、あとで大学に入ってましたが、その大学もつぶれたそうで、別の意味で心配になりました。あと、今知りましたが、のりピーの初公判の倍率は330倍で、過去最高やったそうです。エリカ様より多いんですよ。それもすごいですけど。

 またまた話がそれてしまいましたが、何が言いたいかというと、居場所だけやなくて仕事ちゅうか「役割」があれば更生しやすいちゅうことです。

 たとえばマーシーこと田代まさしさんは、何回もパクられて(逮捕されて)ますけど、ずっとご家族や友達に支えられてましたよね。でもアカンかった。それは、「自分らしい役割」をこなせなかったからと違いますかね。大スターとして音楽やコントをがんばれていたのに、それができひんから、クスリに手を出してしまうのかなと。やっぱり寂しさですね。

 のりピーは、女優さんとしてちゃんと復帰できたし、台湾とかでも人気あるし、これからも大丈夫かなと思います。甘いですかね。

 瑠美は、今は筋トレに癒やされてますから、大丈夫です。毎日、自分のカラダが変わっていくのがわかりますし、汗をかくと(クスリより)気持ちええし、超オススメです。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2021/01/24 16:00
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